DF板倉滉(ボルシア)が負傷のため招集外となり、DF冨安健洋(アーセナル)が別メニュー調整で合宿をスタートするなど、北中米W杯アジア2次予選開幕を前にCBの陣容に変化を迫られている森保ジャパン。9月以降の3試合に出場したDF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)はこのチャンスを積極的に掴みに行くつもりだ。
12日にベルギーリーグ第14節のコルトレイク戦を終えた町田は当初、14日のトレーニングから合流する予定だったが、欧州内移動の航空便が欠航。14日午後に帰国がずれ込んだ結果、同日のトレーニングには参加できず、W杯2次予選ミャンマー戦の前日練習でようやく初合流を迎える形となった。
それでも気持ちの準備はできていた。「アクシデントは海外にいるとよくあることなので慣れている。そういうのも含めてまた成長していければなと思う」。突然のトラブルに冷静さを保つ町田は「到着がちょっと遅れたくらいで試合日が早まったわけではないし、前回の試合から中3日あって、しっかりコンディションは整えられている」と強調。「滉くんが怪我をして、トミもどうなるかわからないので、しっかり自分がアピールできればと思う」と意気込んだ。
第2次森保ジャパン発足後の3月に初招集された町田にとって、初めてとなるW杯予選。鹿島アントラーズ時代にはAFCチャンピオンズリーグの決勝トーナメント、海外移籍後のベルギーでも優勝を争うプレーオフに出場するなど、緊迫した試合は経験済みだが、国を背負う重圧には新たなメンタリティーで向き合おうとしている。
「これまでも優勝争いをしている時とか、負けられない試合はもちろんあったけど、それとはまた別。アジア予選は別の戦いだと思う」と心の準備を欠かさず、「W杯に向けての第一歩というところなので、自分の、自分たちのW杯に向けての姿勢をしっかりと格下相手でも出せれば」と力を込めた。
第2次森保ジャパンでは9月シリーズ以降、冨安と板倉のCBコンビが守備組織のレベルを上げ、強豪国との親善試合での連勝をもたらしてきた。しかし、W杯で優勝という目標を掲げるからには彼らと張り合えるようなCBの登場が不可欠だ。「この年代はCBにいい選手が多いし、競争する相手としてはこの上ない。ただそういう競争を勝ってこその成長だと思うので、臆せずに自分のプレーで戦っていきたい」。彼らにライバル意識を燃やす町田がその後に続こうとしている。
主軸CBの不在はチームとしての危機だが、町田にとっては大きなチャンス。「長いサッカー人生において、チャンスを掴む時はライバル選手の怪我だったり、出場停止だったりで代わった選手が活躍してスタメンを奪っている。僕自身もそうだったし、そういう選手をたくさん見てきた」。同世代の背中を追う26歳は大きな覚悟を胸に「こういう小さなチャンスを自分が掴み取れる場所にいるので、しっかり掴み取れるようにアピールしたい」と決意を語った。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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