[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権佐賀県予選決勝 佐賀東高 5-0 佐賀商高 駅前スタ]
左サイドで躍動。3年生アタッカーが佐賀東高を勢いづけた。前半2分、MF右近歩武(3年=DESAFIORA.FC出身)は左タッチライン際でのパス交換から中へボールを運んで右足クロス。「練習通りにできたので良かった」というアシストで、FW宮崎空夢(3年)の先制点をアシストした。
右近は、その4分後にもCKの流れからこぼれ球を右足ダイレクトでゴール。立ち上がりの1ゴール1アシストでチームに大きな2点をもたらした。その後も左サイドで縦への鋭い動き。「ここ最近ずっと1対1の練習とかしていて、抜けるようになってきたと思っています」と語るMFは前半の終盤、後半立ち上がりにも縦突破からチャンスを演出して見せる。
そして、後半5分、再び左サイドで縦へ抜け出すと、マイナスへのラストパス。ボールはDFに触れられたものの、こぼれ球を10番MF江口恭平(3年)が決め、3-0となった。
この日は、サイド攻撃の中心である右SH宮川昇太主将(3年)が「歩武のサイドが起点になって、得点も歩武サイドからだった」と悔しがる活躍。右近も「いつもは宮川の方が活躍するんですけれども、今日は自分の方が活躍できた」と微笑んでいた。
佐賀東は試合によって、テクニカルなMF西川葵翔(3年)と推進力のある右近を左サイドで併用。今大会は右近が活躍を続けてきた。蒲原晶昭監督は「だいぶ頑張れる。無理が利く選手なので。ボールも右も左も結構蹶れるし、縦突破もそうですけれどもハードワークできます」。加えて、プレッシングの強度の高さを評価。特に決勝での活躍は3年生MFの自信になったようだ。
「応援の力もあって。今までの中では結構(1番2番くらいに)良かった」。地元の強豪、佐賀東のポゼッションスタイルに憧れて進学。3年間掛けてドリブルや守備の強度を成長させてきた。その右近は「憧れの舞台。ここを目標にやってきた」という選手権全国大会での活躍を誓う。
「選手権では、自分が試合に出て、点を決めてチームを勝たせたい。(目標は)3得点5アシストです」。まだまだ絶対的な存在ではない。それでも、攻守両面で活躍中のサイドアタッカーは、選手権までのトレーニングでより自分を成長させる考え。そして、憧れの選手権でも活躍し、佐賀東を勝利へ導く。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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