[11.19 選手権山口県予選決勝 高川学園 2-0 聖光高 みらスタ]
注目ストライカーが悔しさを力に変える。高川学園高のU-17日本代表候補FW山本吟侍(3年=高川学園中出身)は、選手権山口県予選決勝で1ゴール1アシストの活躍。前半7分、右CKをファーサイドで競り勝って先制点をアシストすると、同32分にはゴール前でのチャンスで難なく右足で決め切った。
山本は8月26日に負った右足の負傷で長期離脱。11月1日に復帰し、5日の選手権予選準々決勝で早くもピッチに立つと、12日の準決勝では先発し、限られた時間の出場ながら2得点をマークした。
守備のステップや切り替えの部分はまだまだ。体力面もこれからだ。本人は「(今日は)守備のところやもっと点を取りたかった」と首を振る。それでも、前線でボールを引き出して収める力やフィニッシュワークの巧さを発揮。聖光高GK濱本陽斗(3年)のファインセーブの前に2点目を奪うことはできなかったものの、相手にとって怖い存在になっていたことは確かだ。
負傷した際、先を見据えて手術する選択もあったというが、「仲間とプレーしたかったので、選手権を選びました」。高川学園高の同級生は3年間、高川学園中時代からの仲間は6年間に渡って一緒にプレーしてきた。そのチームメートたちと一緒に選手権を戦うことを決断。準決勝、決勝で連発し、全国大会に挑戦する機会を獲得した。
現在開催中のU-17ワールドカップでU-17日本代表はベスト16進出。中でも、FW高岡伶颯(日章学園高2年)は3戦連発、計4得点と大暴れしている。同じ高体連のストライカーの活躍は「悔しいです。コンスタントに結果を残していれば代表も入れたかなという個人的な思いがあります」。今年、U-17日本代表候補として活動している山本には、怪我をせずに継続してアピールできていれば、という思いがある。
その悔しさを選手権で晴らすことを考えている。「自分のゴールで、インターハイも(3得点を記録したが)得点王になれなかったので、選手権こそは得点王になって、また代表や高校選抜に入れたら良い。ゴールと守備というところで、3年間、(監督の)江本先生に言われ続けてきたので、チームのために活躍したい」。江本孝監督は「局面局面のところで仕事をしてほしい」と期待。卒業後、大学へ進学する注目ストライカーは得点王を獲得すること、先にプロ入りするFWに負けない活躍をすること、そして2年前に経験した国立準決勝を超えることを目指して選手権のピッチに立つ。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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