[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.26 高円宮杯プレミアリーグEAST第21節 昌平高 2-2 青森山田高 昌平高G]
この一年は、主力左SBとしてプレー。CB、右SBとしてもクオリティを発揮してきたオールラウンダーが、この日は“得意の”ボランチで充実の動きを見せた。
青森山田高DF菅澤凱(3年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)は、「(ボランチ2試合目で)やるべきことがはっきりしていたので、みんなよりも自分の仕事に徹底できたと思う」とコメント。勝てば優勝という状況で力んでしまっていた選手が多い中、中盤の底の位置で自分の役割を貫き、同点アシストも記録した。
前半から強みとする守備で一際目立つ働きを見せていた。「ボランチは自分の特長である守備力とヘディングの高さ、長短のパス発揮できる場所」。守備範囲広くチームメートをサポート。また、判断力と強度の高さを活かしてセカンドボールを回収したほか、落ち着いた繋ぎや空中戦の強さも発揮していた。
1-2の後半45+2分には、PAでのセカンドボールに素早い反応して収める。そして、判断良く右前方の左SB小沼蒼珠(2年)へラストパスを通し、劇的な同点ゴールをアシストした。
「1試合通してみんなゴール前で焦りが見えていて、自分はゴールまでチャンスが来たら1回力抜こうと決めていた。力を抜いたら自分の特長の視野の広さで一瞬ですけれどもパッと見えたので、(小沼)蒼珠が走ってくるのが見えた」。追い詰められた状況での冷静なプレー。首位・青森山田に貴重なゴールと勝点1をもたらした。
その菅澤については、正木昌宣監督も「(中盤でも)良くやっているんじゃないですかね。セカンドの回収も。CB、トップ下、SHに対してのケアも含めて良くできている。空中戦もあそこで強さを発揮していると思う」。そして、中央での声がけについても、評価していた。
ただし、菅澤は「今日落ち着かせる場面とかゲームコントロールする力が自分にもっとあれば、みんな落ち着いてやれたと今振り返ったら思ったので、もっとボランチとしても成長したい」と満足していない。
また、ボランチでの出場機会が増えていることに「やっと自分のボランチが認められてきたかなという感じだと思う」と微笑む一方、「SBもボランチも高校年代でトップレベルになれば、これから先の選手権であったりもチームを勝たせる選手になれると思う」と意気込んでいた。
青森山田にとって欠かせない万能型は卒業後、関東の強豪大学へ進学予定。この1年、プレミアリーグで様々なタレントと対戦し、自分の力も負けていないと実感している。大学でさらに力を磨いてプロへ。「全然差は感じていないですし、逆にプロに行くような選手よりもできている部分は自信があるので、個人としてはチームがやるべきことを徹底していけば、自然と認められるチームが青森山田だと思うので、自分の役割を徹底してもっと注目されるような選手になりたい」。まず12月2日の最終節で勝ち、プレミアリーグEAST優勝を決めること。そして、プレミアリーグファイナルや選手権という注目される舞台でも勝利に貢献し、自身の価値を高める。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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