京都産業大は1日、Jクラブ内定選手合同記者会見を行った。東京ヴェルディに入団する主将MF食野壮磨は「1年目から試合に絡むだけじゃなく、中心選手としてやっていきたい」と力強く意気込んだ。
明日2日に国立競技場で行われるJ1昇格プレーオフの東京V対清水は、食野にとってもプロ1年目を占う大一番になる。食野も「もちろんJ1に昇格してほしい。より高いレベルでやりたい」と意識を十分にしている。
そしてJ1昇格となれば、高校時代までを過ごし、実兄の亮太郎が在籍するG大阪とプロ1年目から対戦が可能となることも当然、意識としてある。「兄と直接対決したい。兄を上回るプレーがしたい」。運命の決戦に“兄弟の夢”を託す。
■インカレへ
今季の京産大は創部51年目にして、関西学生リーグ1部を初優勝。そして過去最多4人のJリーガーを輩出する歴史的なシーズンとなった。古井裕之総監督はさらに1人が追加となる可能性を示唆すると、「壁を乗り越えて、歴代の中でも最高の4年生になったと思う」と感慨深げに話した。
SC相模原でプロ生活をスタートさせるFW福井和樹は、今季すでに特別指定選手としてJリーグデビューを飾っており、初先発した9月24日の福島戦では初ゴールを記録するなど、結果を残している。
福井は大学2年生だった21シーズンに15得点を決めてリーグ得点王を受賞。3年時は怪我に悩まされたが、今季もチーム最多の10得点を決めて、優勝に大きく貢献した。大学で磨いた「得点力」はすでにプロでも通用することを示した。
30大会ぶりの出場となった2年前の大学選手権(インカレ)は、2回戦で筑波大に0-3で敗戦。食野も「右も左も分からなかった」と振り返るほど、完敗を喫していた。ただ2年経った今年は違う。「優勝できる自信がある」と胸を張るほどだ。
監督就任1年目の吉川拓也監督も、「さらに歴史を動かす残りの4試合になると思います」と自信満々に話す。今春のデンソーカップチャレンジでは関西選抜が優勝、夏の総理大臣杯では関西学院大が2位と躍進の目立つ関西勢。その関西を制した京産大が、今度は日本一に立つ番だ。
●MF食野壮磨(→東京V)
「皆さんご存じの通り、兄はG大阪でプレーしています。兄が頑張っているところをみると、自分も頑張らないといけないと思わせてくれる。兄弟としての刺激は、毎日受けています。1年目から試合に絡むだけじゃなく、中心選手としてやっていきたいです」
●MF福井和樹(→相模原)
「(相模原は)今年は勝ち切れない試合が多かったと思うけど、自分が大学で磨いた得点力で貢献したい。1年目から2桁得点を目標に、強い覚悟を持って臨みたいと思います」
●DF西矢慎平(→富山)
「自分の特長は上下動の運動、フィジカル的なタフさが武器だと思っているので、そういうところで貢献したい。意識するのは兄の西矢健人(藤枝)。小さいころから切磋琢磨してきた僕にとってはライバルです。富山では結果を残して、チームのために戦っていきたいです」
●GK山本透衣(→FC大阪)
「左右両足蹴れるビルドアップは通用すると思う。一人のプロサッカー選手として、応援してもらえるような選手になりたい。(札幌U-18時代に)近くでみていて学ぶことが多かった菅野(孝憲)選手に少しでも近づけるように、1日でも早く花園で活躍したいと思います」
(取材・文 児玉幸洋)
Source: 大学高校サッカー
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