[12.8 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 鹿島ユース 5-1 瀬戸内高 バルコムBMW広島総合グランド]
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024に参入する権利をかけた高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 プレーオフ(広島)が8日、開幕。1回戦8試合が行われた。鹿島アントラーズユース(関東1/茨城)と瀬戸内高(中国3/広島)の一戦は、DF松本遥翔(2年)のゴールを皮切りに得点を重ねた鹿島ユースが5-1で勝利した。10日の2回戦ではベガルタ仙台ユース(東北/宮城)と対戦する。
今季、鹿島ユースが掲げた目標は日本一とプレミアリーグ昇格。夏のクラブユース選手権をベスト8終え、日本一の夢は途絶えたため、残る一つの目標達成にかける選手の意気込みは強い。ただ、試合の序盤は上手く行かない。「入りはみんな硬く、集中力が欠けていた」と振り返るのは、FW馬目隼乃介(3年)だ。
前半9分には相手との接触で、MF平山京吾(3年)が交代するアクシデントもあり、先に試合を動かしたのは瀬戸内だった。17分に「相手はデカいのでセットプレーなどでは先に触ろうと意識していた」と振り返るDF坂根秀(3年)が鹿島のPA内でハンドからのPKを獲得。FW新井悠河(3年)が冷静にゴールネットを揺らす。
先制点を許したものの、鹿島に焦りの色は見られない。「自分も含め点を獲られても獲り返せる自信はあるので焦れずやれて良かった」と馬目は話す。「厳しい試合になるとは試合前から選手たちには伝えていた。どういう試合になっても連続失点しない、攻撃し続けるとか、今までシンプルにやってきたことをしっかりやろうよと言っていた」。そう続けるのは柳沢敦監督で、スタートダッシュは上手く行かなかったが、連続失点を防ぎ、試合の流れを引き寄せる。
31分にはDF佐藤海宏(2年)が入れた左クロスは、ニアの馬目とは合わなかったが、ファーで拾って中に折り返し。このボールを松本が決めて同点に追いつくと、42分にはリスタートのこぼれ球を高い位置で繋いで、最後はDF大川佑梧(2年)が同点弾を叩き込んだ。
後半は攻撃の勢いが更に加速する。「スプリントトレーニングをやって、最後まで走り続ける体力を付けてきた自信はある」と馬目が胸を張る通り、取り組みの成果を示し、積極的にゴール前のスペースに飛び出していく。後半13分には、途中出場のMF長山翔真(3年)が左サイドから入れたクロスがPA内でのハンドを誘い、PKを獲得。このチャンスを主将のMF小倉幸成(3年)が決めた。直後の15分にも小倉が連続ゴールを決めて、リードは3点差まで広げる。
勝負の行方が決まってからも鹿島は攻撃の手を緩めず、アディショナルタイムには途中出場のFW徳田誉(2年)がロングボールからゴール前に抜け出し、5点目をマーク。プリンスリーグ関東1部で断トツ1位となる58得点をたたき出した攻撃力を見せつけ、鹿島が5-1で勝利した。
強豪が揃うプリンスリーグ関東で優勝した経験は、鹿島の自信になっている。「夏以降リーグ戦ではほぼ負けていない。チームとして手応えを感じていたので、自信を持ってプレミア参入戦に挑めている。最後まで走る体力やスプリント能力が付いてきたし、チームの一体感も出てきた」(馬目)。ビハインドをひっくり返したこの日の経験も、選手たちの背中を押すだろう。「仙台ユースは対戦したことがない相手だけど、自分たちの力を出せれば勝てると思うので、自信を持って挑みたい」と馬目は意気込んだ。
(取材・文 森田将義)
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Source: 大学高校サッカー
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