[12.13 インカレ3回戦 福岡大1-2京都産業大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]
なぜそこに西矢――。左サイドバックのDF西矢慎平(4年=神戸弘陵高/富山内定)が大胆な攻撃参加から、京都産業大(関西1)に貴重な追加点をもたらした。
前半28分、DFラインからのロングボールで裏を取ったFW中田樹音(3年=岡山学芸館高)のポストプレーから横パスに走り込んだ西矢が、詰めた相手よりも先に触ってゴールに蹴り込んでみせた。
「ゴール前に入るときは、シュートを打てるところに入っていくことを意識しています。あの場面は夏川が張ってくれて、相手のボランチも下がっていなかったので、あそこが空くなと思った。走り込んだら、いいボールが来たので打つだけでした」
西矢もJリーグ内定選手として、大学最後の大会に臨んでいる。
ずっと2歳年上の兄、西矢健人(現藤枝)の背中を追うようにサッカーをしてきたという。兄と一緒にヴィッセル神戸のスクールでサッカーを始めたが、兄が進んだジュニアユースには上がることが出来なかった。
そして大阪桐蔭高で主将として高校選手権に出場、強豪の明治大に進学した兄とは違い、神戸弘陵では予選まで出場して高校選手権出場に貢献したが、本戦では出場なし。大学もサッカーでの推薦の話はなく、一般入試で京産大に入学した。
「幼いころからずっと兄の背中を追って来た。でも僕には下から這い上がるアイデンティティがあると思っている。常に負けたくないというか、兄が今はJ2にいて、僕はJ3スタートなので、同じ舞台で戦えるようになりたいと思います」
プロ生活に勢いよく入るためにも、「大学日本一」の肩書きを手にしたいと考える。「チームとして新しい歴史を作るということ、関西1位は取ったので、日本一でもう一個、歴史に名を刻みたいなと思います」。歴史を変えるのは俺たちだ。
(取材・文 児玉幸洋)
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Source: 大学高校サッカー
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