[12.16 選手権鹿児島県予選決勝 神村学園高 1-0 鹿児島城西高 白波スタ]
新田祐輔監督が「らしさは出せていたと思います。よう走りましたけれどね」と振り返ったように、鹿児島城西高は攻守に前から圧力を掛ける戦いで王者・神村学園高に対抗した。今月8日と10日にプレミアリーグプレーオフを戦い、激闘の末に初昇格。勢いそのままに選手権予選準決勝(15日)、決勝(16日)に臨んだが、決勝で力尽きた。
右肩に怪我を抱えるCB内田輝空(3年)やこぼれ球に頭から突っ込んで繋ごうとした10番MF石内凌雅(3年)ら各選手が気持ちの込もったプレー。疲れはあったはずだが、気持ちで体を動かし、戦った。
1点を追う後半、鹿児島城西はセカンドボールを狙う形で惜しいシュートを放ち、後半31分には藤枝内定MF芹生海翔(3年)が敵陣左サイドでのインターセプトからFW岡留零樹(3年)とのワンツーで抜け出す。
だが、ファーサイドのネットを狙ったシュートは枠右へ。「踏み込みが浅くて、もうイメージは完璧だったんですけど、それを決められないっていうのは、もう全然大した選手じゃないなと思います」。直後には長期離脱から戻ってきたFW福岡想太朗主将(3年)が投入され、選手たちも気持ちを奮い立たせていたが、0-1で敗戦。エースの芹生は敗因の矛先を自分に向けていた。
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「今年は(全国大会に)行けると思ったんですけど、行けなかったのは、チームの責任じゃなくて、本当僕の責任かなとすごく思います。あれも外したので。いつも練習とかでも自分がやれない時があるんですけど、その時もみんな優しく励ましたりしてくれて、わがままな自分が変わったんですけど、ここで結果残せないっていうのは、自分が情けないのかなと思います」と唇を噛んだ。
今年の鹿児島城西は九州新人大会とプリンスリーグ九州1部で優勝し、プレミアリーグ初昇格の快挙。選手権には手が届かなかったが、堂々の成績を残した。ここから各選手が新たなステージでの活躍を目指す。
芹生は「本当、この試合もそうなんですけど、もう今まで3年間やってきた仲間も忘れないんで、全部背負って、プロで本当に自分が責任持ってやっていかないといけないと思います。若手が勢いないと本当意味ない。(1年目から)若手でもやれるぞ、みたいなことをして、どんどんステップアップしていけたらなと思います」。一足先にプロ入りするMFは鹿児島城西のチームメートたちの分もプロの世界で活躍することを誓った。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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