[12.18 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16決勝 鹿島学園高 2-1 大津高 時之栖うさぎ島G]
19年大会の準優勝超え、悲願の初優勝を目指した大津高(九州2、熊本)の挑戦は準優勝に終わった。前半26分にショートカウンターから先制点を許したが、その4分後に左サイドでの奪い返しからFW甲斐亮佑がPKを獲得。これを自ら決めて同点に追いついた。
畳み掛けようとする大津は、左サイドでキレのあるドリブルを連発していたMF岩崎天利のカットインシュートがゴールを捉える。そして、後半はやや相手トップ下への守備を気にしすぎていたところのあったダブルボランチがより前へ。前半、ややセカンドボールの攻防などで劣勢だった大津が、主導権を握り返した。
主将のボランチ、MF福島京次は「(後半は)ちょっと割り切って前に強く行ってみようってことで。そこは強く前に行けたことで、セカンドボールとか、自陣のところとかでは結構回せたかなと思います」と振り返る。ゲームメーカーの福島や交代出場MF塚田優斗からボールが良く動き、相手を左右へ動かした。
CB村上慶を中心としたDF陣も相手の速攻を阻止。また、後半10分に投入された10番FW山下虎太郎が相手を脅かすような動きを見せていたが、なかなか決定打を放つことができない。すると26分、DFラインでボールロスト。CB松野秀亮が必死にシュートブロックするなど、決定機を防いだように映ったが、こぼれ球をクリアしきれずに、勝ち越されてしまう。
2失点はいずれもビルドアップでのミスからシュートまで持ち込まれてのモノ。福島は「流れは途中、傾いてたんですけど、やっぱりゴール前の質とか、あとはセカンドボールの回収とかも、相手が勝ってました。細かいところが最後、勝負を分けたんじゃないかと思います」と唇を噛んだ。
大津は、21年度選手権準優勝のMF森田大智(現早稲田大)らが1年生だった19年度のU-16全国大会で準優勝。その成績を超えることはできなかったが、1試合1試合成長して堂々の全国2位だ。「脇坂(泰斗、川崎F)選手みたいな狭いところでも局面変えられる人とか、キックとかデ・ブライネとか良いと思うんで、そういうところを目指していきたいです」と語った福島ら各選手は、この敗戦を糧に努力を重ね、目指す姿に近づく。
表彰式では、大会役員たちから2年後の選手権を期待する声も。福島は「やっぱ2年後が本番だと思うんで。やっぱりそこに向けて、悔しさをぶつけれるように頑張りたいです」。細部から突き詰め、個人、チームで成長すること。そして、2年後は決勝で勝ち、笑顔で全国大会を終える。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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