日本サッカー協会(JFA)は21日、東京都文京区の東京ドームシティ内に23日からオープンするJFAサッカー文化創造拠点『blue-ing!』の記者発表会を行った。筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターと協働し、伝統的なスポーツ展示と最新鋭のデジタルテクノロジーがコラボレーションした新施設。発表会に先立って施設を内覧した日本代表の森保一監督は「サッカーはいろんな楽しみ方ができる、いろんな魅力があるんだと多くの方に知っていただけるきっかけになると嬉しい」と期待を寄せた。
JFAと同センターは昨年夏から「物理再構築技術とサッカーの融合」に関する共同研究をスタートしており、今回のJFAサッカー文化創造拠点『blue-ing!』はコラボの目玉企画。JFAは2003年12月から旧JFAハウス内に日本サッカーミュージアムをオープンしていたが、オフィス移転に伴って今年2月に休館しており、日本サッカーのミュージアム機能を一手に担う施設となる。
監修を務めたのはメディアアーティストとして活動しつつ、数々のテレビ出演や執筆活動を続ける同センター長の落合陽一氏。「計算機自然(デジタルネイチャー)」というテーマを掲げ、テクノロジーを駆使した表現・研究で実績を重ねている中、『blue-ing!』ではこれまでになかったサッカー×テクノロジーの展示にトライしている。
『blue-ing!』にはミュージアム機能を担う「DISCOVERYゾーン」だけでなく、カフェ・ショップを併設した芝生空間の「PARKゾーン」も設置されている。落合氏は「ヨーロッパを歩いているとカフェやバーのテレビでサッカーかかっていたりして、日常にサッカーがある空間が一般的。生活の中にサッカーがあるというのをどう作っていけるかが大事だと思っている」との狙いを明かし、「今までのミュージアムとは違い、いろんなことができる空間になるといい。カフェでは昼間は作業をしたり、勉強したりする高校生もいるかもしれない」とさまざまな活用法を願った。
日本代表の森保監督は施設を内覧した後、トークセッションに出席。落合氏に「コアな方々が楽しむ場だけでなく、サッカーを知らなくてもめちゃくちゃ楽しいんじゃないかなという形でテクノロジーを駆使して作られている」と感想を送りつつ、「サッカーの過去の歴史、今と未来の楽しみ方ができる素晴らしい場所。サッカーの歴史を感じられる場だなと思った」と太鼓判を押した。
また東京都心の東京ドームシティ内というロケーションに「サッカーをする、見る、支える方だけでなく、まだ気づいていない方々も、いろんな楽しみを求めてこの周辺に来られている」と手応え。「サッカーが日常の活力になったり、サッカーが日常の楽しみの中にあるといいなと思ってもらえるように、『blue-ing!』がより認知されていくと嬉しい」と目を細めた。
なでしこジャパン(日本女子代表)の池田太監督もトークセッションに出席。内覧会では「最新のテクノロジーを駆使し、歴史と未来を感じられた。実際に現場としてもミーティングで使えるんじゃないかとか、次世代のサッカーの関わり方を感じる体験だった」と手応えを述べつつ、「私はなでしこジャパンの監督としてピッチでサッカーの素晴らしさ、それに付随する勇気や感動をお伝えできればと思っているが、ここblue-ing!がサッカーの素晴らしさ、歴史、未来に向けて一つの文化の発信の基地になれば」と望んだ。
(取材・文 竹内達也)
Source: サッカー日本代表
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