21歳の若き守護神が堂々の正ゴールキーパー候補としてアジアの戦いに挑む。日本代表GK鈴木彩艶(シントトロイデン)が30日、報道陣の取材に応じ、来年元日のTOYO TIRES CUP・タイ戦に向けて「今回は親善試合だけど、アジア杯にもつながってくるので良いパフォーマンスを発揮したい」と意気込んだ。
11月の北中米W杯予選・シリア戦(○5-0)にフル出場し、日本代表での序列を大きく高めた鈴木。来年夏のパリ五輪で正GKを担うことが期待されていたが、アジア杯で主力を担う可能性も出てきている。
「ゲームの中で自分の武器が通用することは感じているので、そういうところをよりゲームの中で発揮できるようにトライしようという気持ちでいる」。今回の代表活動でも、一段上の基準を持って練習と向き合っているようだ。
まずは元日のタイ戦で出番を狙う。「自分も昨年、一昨年と元旦に何をしていたかを考えると、近くの公園でボールに蹴っていたなという思いがあるので、そういった時期に国立でサッカーができる幸せを感じている。いろんな人に見てもらって、結果で勝利を届けたい」。すでにチケットは完売。大観衆の前で自身の持ち味を発揮する構えだ。
そして1月14日に初戦を迎えるアジア杯も見据えている。正GKへの思いを問うと「もちろん。自分としては獲りに行く気持ちでやっている」と即答。イメージしているのは前回優勝した2011年大会で、準決勝・韓国戦のPKストップなどでチームを救ったGK川島永嗣のような活躍だ。
「最後に優勝したのが2011年でその大会は見ていたし、準決勝で川島選手の活躍が光っていた。そういった部分では11年以来の優勝を目指していきたいし、一戦一戦大事になるので気を引き締めて戦っていきたい。川島選手の活躍がなければ優勝できなかったと思うし、キーパーの力は優勝するために必要になる。選ばれて試合に出場したらそういうところを表現したい」
21歳でのA代表GK定着となればそれだけで快挙だが、まだまだ何かを勝ち取ったわけではない。
前日29日にはオランダ1部フォレンダムの正GKで、現在はU-20ドイツ代表を選択してプレーしているGK長田澪(19)と日本代表の練習場で初対面。今後は長田の日本代表入りの可能性にも注目が集まる中、鈴木は「ライバルになってくるのかな。そこは分からないけど、僕よりも若い選手で海外でプレーし続けているのは逞しいことだし、負けないようにやっていきたい」と刺激を受けつつ、奮闘を誓っていた。
(取材・文 竹内達也)
●AFCアジアカップ2023特集
Source: サッカー日本代表
コメント