[1.6 選手権準決勝 近江 3-1 堀越 国立]
怒涛の3連続ゴールで勝利を手繰り寄せた。近江高(滋賀)は前半11分から22分までの12分間で3ゴール。そのすべてに絡んだのがMF山門立侑(3年)だ。
まずは前半11分、センターサークル内でボールを受けた山門がそのまま中央をドリブルで持ち上がり、右足でミドルシュート。DFに当たったこぼれ球をMF鵜戸瑛士(3年)が蹴り込み、先制点を奪った。
「どんどん前に仕掛けるのを意識して、シュートも振っていこうと思っていた。そこから得点が生まれたのは良かった」。2分後の前半13分には自らゴールネットを揺らす。PA内でこぼれ球を拾って鵜戸に預けると、鵜戸のシュートのセカンドボールをMF西飛勇吾(3年)がシュート。これが再びゴール前にこぼれ、山門が素早く押し込んだ。
2回戦の日大藤沢戦(1-1、PK4-3)、3回戦の明秀日立戦(1-1、PK4-2)に続く今大会通算3ゴール目。準々決勝の神村学園戦(○4-3)は得点がなかっただけに、「自分が決める強い気持ちで臨んだ。決められて良かったし、国立で得点を決めるのは全然違う。自分に注目が集まって気持ち良かった」と笑顔を見せた。
これまで左ウイングバックで先発し、試合途中から2シャドーの一角にポジションを上げることが多かった山門だが、この日はFW荒砂洋仁(3年)の負傷欠場もあり、スタートから右シャドーの位置に入った。「トップ下の方が間で受けたり、細かいところでのドリブルだったり自分の良さが出る」と躍動。前半22分にもゴール前混戦から山門がシュートを狙ったこぼれ球をDF金山耀太(3年)が蹴り込んだ。厚みのある攻撃で立て続けにゴールを奪い、3-0と大きくリードを広げた。
日大藤沢戦、明秀日立戦はいずれも先制されながら後半に山門の同点ゴールで追いつき、PK戦で競り勝つ粘りを見せた。神村学園戦は4-3の打ち合いを制し、この日も攻撃力が爆発。過去2回の出場はいずれも2回戦敗退だった近江が破竹の快進撃で決勝まで上り詰めた。決勝の相手は青森山田(青森)。山門は「すごく強いけど、自分たちもノッている。勝てるチャンスはある」と力を込める。
「狭い局面での崩しや3人目の動きが自分たちの強み。細かいところで受けて離して3人目が出るというサッカーでは自分たちに分があると思っている」。滋賀県勢としても2005年度に優勝した野洲以来、18年ぶりの決勝進出。2005年11月12日生まれの山門にとって、リアルタイムの記憶は当然ないが、「(野洲の試合を)映像でたまに見たりする。あのときも面白いサッカーを見せていたと思うし、自分たちが目指しているのも観客を沸かせるサッカー。野洲と同じように面白いサッカーを見せて優勝を勝ち取れれば」と、滋賀県勢18年ぶりの日本一を誓った。
(取材・文 西山紘平)
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Source: 大学高校サッカー
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