[1.8 選手権決勝 青森山田 3-1 近江 国立]
先制点をアシストし、ダメ押しの3点目となるオウンゴールも誘発した。それでも青森山田高のMF杉本英誉(3年=FCフェルボール愛知出身)は大会を通じて自身のパフォーマンスには満足できなかった。
「プレミアリーグではもっと活躍できていたイメージがあるし、選手権では物足りなかった。優勝できて良かったけど、自分の中ではあまり良くなかった」。2年ぶり4回目の優勝を決めた決勝の試合後、背番号14は率直に大会を振り返った。
右サイドハーフのレギュラーとして全5試合に先発出場。左サイドハーフのMF川原良介(3年)とともに、サイド攻撃を強みとする青森山田のキーマンの一人だったが、「自分と川原では川原の方が(突破に)行けていたというか、自分の方が消えていた」と悔やむ。
「(大会の)最初はあまり試合に入っていけなかったけど、自分のことを信用して使ってくれた監督、スタッフに感謝したい。自分の特徴を生かせるアドバイスもたくさんくれた」。もがき苦しみながらも一戦一戦、自分本来のプレーを取り戻し、チームも勝ち上がっていった。その結果が決勝での実質、“1ゴール1アシスト”という結果にもつながった。
前半18分、正確な右クロスでFW米谷壮史(3年)のシュートをお膳立てした杉本は前半34分、MF芝田玲(3年)からパスを受けると、PA右手前からドリブルで中に切れ込み、左足でフワリとしたクロス。これをMF福島健太(3年)がおさめ、右足で先制点を奪った。
2-1の後半25分にはカウンターのチャンスに杉本が中央をドリブルで独走。川原に預けてゴール前に走り込むと、川原からリターンパスを受けて左足でシュート。これが近江の選手に当たってコースが変わり、オウンゴールとなった。杉本の得点と認められても良いシーンだったが、今大会初ゴールとはならず。それでも本人は「チームが優勝できたので良かった」と気にしなかった。
試合後には大会優秀選手34人が発表され、青森山田からは最多の7人が選出。米谷、芝田、DF菅澤凱(3年)、DF山本虎(3年)、DF小泉佳絃(3年)、GK鈴木将永(3年)とともに杉本も名を連ねた。「正直、なんで選ばれたのかなという感覚」と素直に驚いたという杉本は卒業後、桐蔭横浜大に進学予定。「プロになるのが目標。1年目からレギュラーになって試合で活躍したい」と前を見据えた。
(取材・文 西山紘平)
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Source: 大学高校サッカー
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