UAEで行われた2019年の前回大会は、現地入り後のトレーニングで無念の負傷離脱。日本代表MF守田英正(スポルティング)にとって、初めてのアジアカップとなる。
5年前は大卒1年目の9月にA代表初招集を勝ち取り、上り調子の中で出鼻を挫かれる形となったが、今回は堂々の中心選手として臨む大会。「代表で何か一つまずタイトルを取りたい。日本サッカーが盛り上がってきていて、W杯後の1年通して右肩上がりで、注目度もあるし、選手自身もそういうのを感じているので、ここでタイトルを取って次に繋げられればと思う」。そうした日本代表としての使命を胸に「それ以外は負けみたいなものだと思っている。優勝しかない」と意気込んだ。
カタールW杯後の日本代表は3月シリーズこそ1分1敗に終わったが、6月シリーズからは無傷の9連勝。9月にアウェーで快勝を収めたドイツ戦(○4-1)を始め、トルコ、カナダ、チュニジアといったW杯出場経験国にも堂々の試合運びを見せており、このアジア杯はあらためてその強さを証明すべき大会となる。
「対アジアで勝って当たり前でしょと言われる部分があるし、相手はこっちをリスペクトしてくる分、なかなかシュートを打たせてくれなかったりする時間が長くなる中で、それでもこじ開けに行くパワーだったり、ボックス付近でのクオリティーだったり、試合巧者な部分を求められると思う」
「僕達自身、W杯優勝を掲げているのでまずはアジア王者にならないといけないでしょと思うので、その風格だったり、選手のクオリティーだったり、プライドみたいなものを大会で見せつけることができれば、日本がもう一段階上に、本当の意味でアジアを引っ張っていける国になれるんじゃないかと思う」
また決勝まで行けば1か月以上の活動期間を得られるのも、チームの成長にとってはポジティブな要素だ。カタールW杯後、新たにFW中村敬斗(スタッド・ランス)、DF菅原由勢(AZ)、DF毎熊晟矢(C大阪)、MF佐野海舟(鹿島)ら新戦力がチームに台頭してきている中、守田は連係面の向上にも意欲を見せた。
「W杯もそうだったし、1週間前から全員が集まってトレーニングできることはなかなかない。新しい選手も数人いたり、トレーニングパートナーで若い世代の子たちも来ているので、そういう子たちへの影響だったり、いろんなことを思うことがある。例えば海舟が台頭してきて、今回もメンバーに入ったけど、まだそこまでお互いに経験を積めていないので、組んだ時にどういった相乗効果をもたらせるかはお互いもっと関係性を知らないといけないし、いい期間にしたい」
大事な所属チームでの戦いをいったん離れるぶん、大きな覚悟を持って挑むアジアの戦い。ピッチの舵取りを担う守田は「来たからには代表だけに集中してやるだけ」とキッパリと言い切り、アジア王座への道のりを突き進んでいく。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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