「地域トレーニングキャンプ関西U-17」で高校2年生の才能たちが積極プレー。びわこ成蹊スポーツ大相手に5-6と健闘

3本目6分、関西U-17は左SB福井奏太郎三田学園高2年)が鮮やかな右足シュートを突き刺して4-4
[1.16 練習試合 U-17関西 5-6 びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

 関西の有力な高校2年生選手によって構成された「2023地域トレーニングキャンプ関西U-17」が、16日と17日の2日間、J-GREEN堺で行われる。16日は関西の強豪・びわこ成蹊スポーツ大と練習試合(30分×4本)を実施。5-6で競り負けたものの、個性を発揮した選手が多かった。

 今回のトレーニングキャンプには、第102回全国高校選手権準優勝の近江高(滋賀)GK山崎晃輝(2年)やMF木村有磨(履正社高2年)、MF宮地陸翔(京都橘高2年)、MF福本一太(阪南大高2年)、CB黒瀬直弥({{c|三田学園高)}2年)、ともに年代別日本代表候補歴を持つCB國岡俊哉とMF久松大燿(ともに興國高2年)ら24年シーズンや将来の活躍を期待される注目選手たちが参加。1本目立ち上がりにMF高畑宗希(近大附高2年)がドリブルで仕掛けて左足ミドルを打ち込むなどチャレンジする姿勢が多く見られた。

 1年前のトレーニングキャンプでは、初日の活動後に当時U-17日本代表の森山佳郎監督(現仙台監督)から貴重な機会で“ギラギラ”“メラメラ”という熱量、積極性が不足していたことを指摘され、翌2日目に見違えるような動きを見せていた。この日は試合前にコーチ陣から助言されたこともあり、選手たちは初日から好プレーを増加。U-16日本代表の廣山望監督やJリーグ、大学のスカウトの前で自分たちの特長を出すことと勝利を目指した。

 対戦したびわこ成蹊スポーツ大はともに関西選抜のGK倉原將(3年=鳥栖U-18)や右SB藤井嵐(3年=立正大淞南高)らが先発。1本目はびわこ大が差を見せつける。3分にスルーパスからFW高木良磨(3年=四日市中央工高)が先制ゴール。その後もボールを保持しながら押し込むびわこ大に対し、関西U-17も落ち着いて攻撃を組み立て、FWディビッド・ローレンス(福知山成美高2年)が抜群のスピードで相手の背後を強襲する。

 また、関西U-17は前半、左サイドの木村が攻めどころに。スピードを活かしたドリブル突破によってシュートシーンに結びつける。そして、FW増井那月(京都橘高2年)のパワーショットがゴールを脅かしていたが、27分にMF向田新(3年=野洲高)に技ありシュートを決められてしまう。さらにサイドチェンジからサイドを崩されると、FW岩井隆太(3年=大阪学院大高)のゴールによって0-3で1本目を終えた。

 メンバー11人を入れ替えた2本目、前からより果敢にボールを奪いに行った関西U-17が堂々の戦いを見せる。5分、敵陣でインターセプトしたFW太仁紫音(大谷高2年)がゴール右隅へ右足シュートを沈めて1点目。これで勢いに乗った関西U-17は連動した守備から、読みとアプローチに秀でたMF坂上宗太郎(桃山学院高2年)が4度5度とインターセプトを連発する。

 また、GK二宮智輝(履正社高2年)が守備範囲広く守るなど得点を許さない。そして、キープ力の高いFW山下ハル(東山高2年)や久松、MF河崎慶二(初芝橋本高2年)の仕掛けがチャンスに結びつき、宮地や太仁がシュートを打ち込んだ。

 そして、25分にMF浅尾晴大(大阪産大附高2年)の右CKからCB黒瀬がヘディング弾を決めて2点目。さらに28分には、左サイドで左SB沖村大也(東山高2年)の縦パスを受けた太仁が中へ運んで右足を振り抜く。クロス性の鋭いボールがそのままファーのゴールネットへ突き刺さった。

 選手権京都府予選16強の大谷から選出されている太仁は、全国クラスの強豪校の選手たちに負けじと奮闘して2ゴールと存在感のある動き。「やっぱ大谷って言われても、京都内でしかまだ聞いたことがないから、やっぱここで、 僕が大谷高校の代表として、大谷っていう名をみんなに分からせたい」という思いも込めての活躍だった。

 大学生の精度、スピード、強さに苦戦し、やや軽い守備の隙を突かれるシーンや攻撃時のミスも見られたものの、2本目を終えて3-3。1本目のメンバーに戻した3本目は、びわこ大もメンバーを大きく入れ替えた。開始直後にびわこ大右SB弓場真之介(3年=四国学院大香川西高)がファインショットを決めて勝ち越し。関西U-17もディビッドのキープから左SB福井奏太郎三田学園高2年)が鮮やかな一撃を決めて同点に追いつく。

 さらに木村が奪い返しからシュートを打ち込むなど逆転を狙うが、びわこ大FW大森椋平(3年=作陽高)のシュートを防ぎ切れずに連続で2点を奪われてしまう。突き放された関西U-17だが、「いつもと違うメンバーで、違う環境でやれて、いろんな刺激を受けながらやりました。今、自分のできる、100パーセント以上、120パーセントの力を出して、運が良ければ、代表にだったりにアピールできたらいいかなと思ってます」というGK山崎が声でチームを盛り上げ続け、ディビッドや増井がボールへの執着心を見せてゴールへ迫っていた。

 4本目は2本目のメンバーが再出場。高い位置から相手に圧力をかける関西U-17は黒瀬や右SB阪上聖恩(神戸弘陵高2年)が前へ出てボールを奪い取る。相手に決定打を打たれる前にボール奪取に成功していた関西U-17は、福本のスルーパスなどでゴールを目指す。

 そして20分、左中間で福本からのパスを受けた坂上が縦に仕掛けて左足シュート。これをファーのネットに突き刺して5-6とした。この後も果敢な動きが目立った関西U-17だが、やや個人の仕掛けに偏重しすぎたところもあって最後の質を上げることができず、1点差で敗戦。課題と自信を得た高校2年生たちは17日の合宿最終日もチャレンジし、進化のきっかけを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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