目標は兵庫県内3冠だ。三田学園高(兵庫)CB黒瀬直弥(2年=ヴィッセル神戸U-15出身)が、「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」(16日、17日)で落ち着いた攻守を披露。1年時から三田学園で先発を務め、インターハイに出場している実力派は大学生や同年代のタレントとの戦いで自分自身の課題も再確認できたようだ。
「(大学生相手でも)個人的にはできてた部分はあったんですけど、疲れてきた中でももっとやらないといけないなっていう、自分の技術の低さが実感できたかなって思います。ヘディングで競り勝つことはできるんですけど、それをしっかりマイボールに繋いだりとか、取った後の1本目のパスをしっかり足元に出すとかっていう精度でちょっと欠けていた部分があったかなと」と説明する。
また、「もうちょいセンターバック(CB)として対人で強くなるために、フィジカル系を自分的にはもうちょい強くしていきたいなって思ってます」。一発で裏へ抜け出す力も持つ大学生のスピード、強さを体感。予測力の向上や、意識して体作りをしていく考えを明かしていた。
課題を口にしていたが、強豪・びわこ成蹊スポーツ大との練習試合(30分×4本)では出場した2本目と4本目でいずれも無失点。「いつも通りだったらそんなやられるっていう感じはなかったんで、自信を持ってやろうっていう気持ちはありました」という言葉通り、的確なカバーリングや前へ出てのボール奪取、空中戦でも健闘し、セットプレーからゴールも決めた。
連係面を確認して臨んだ最終日の紅白戦では、強みであるフィード力やビルドアップ力も発揮。背後の対応、守備連係がやや乱れるシーンも見られたが、攻守で7-1の快勝に貢献した。神戸U-15からU-18チームでの昇格ではなく、文武両道を目指して三田学園に進学した注目株。サッカーも、学業も、全力で高校生活最後の1年を過ごす。
「まずは自チームでしっかり出て、安定感をもたらす選手になりたいっていうのと、センターバックとして、もっとキャプテンシー持ってみんなをまとめていけるようになりたいと思っています」。同じ左利きで、神戸のトップチームでプレーしていたCBトーマス・フェルマーレンが目標の存在。中学2年時まで務めていた左SBとしての魅力もあるが、CBとして活躍し、目標を達成する意気込みだ。
「去年(神戸)弘陵が3冠取ったんで、それを横目で見て悔しいなと思ってたんで、今年は三田が3冠できるようにしたいなと思います」。今回、ともに合宿に参加した左SB福井奏太郎(2年)やFW姫田琢斗(2年)、FW中田雄大(2年)とともにチームを引っ張り、目標の3冠を達成して将来の可能性も広げる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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