高卒でのプロ入りを目指すボランチが、違いを見せつけた。阪南大高(大阪)MF福本一太(2年=アイリスFC住吉出身)は、「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」最終日の紅白戦(30分×3本)で1本目からインターセプトを連発し、2本目にインパクト十分の2発。動きの量を落とさず、予測力の部分も光った。
前日のびわこ成蹊スポーツ大との練習試合でも力を発揮。だが、「(合宿で日本代表MF)遠藤航選手の守備の動画とか見て今日やったんですけど、やっぱ自分の特長と似てる選手やったんで、これぐらいやらないといけないなと思って、今日試合をしました」。1本目は身体が動いていたこともあり、相手ボールホルダーに果敢な寄せを続けてボールを幾度も奪い取っていた。
また、読みにも秀でる福本は相手にパスを出させてインターセプト。今回の合宿では、U-17ワールドカップの映像も見て「(自分の)基準を上げないといけない」と感じたという。その福本は守備だけでなく、攻撃面でもターン一発でDFをかわしたり、縦パスを通して見せた。
そして、2本目には「GKについてもらって1対1で毎日練習してるんで。右足の斜めからのシュートの練習をメインにやってます」という練習の成果を発揮する。15分、19分といずれも右中間から右足シュートを逆サイドのゴールへズドン。ボランチの位置からの抜け出しや落としを受ける形からいずれもファインゴールを決めて見せた。
福本は、U-16大阪府選抜のレギュラーボランチとして22年国体で3位。阪南大高でも1年時から先発を勝ち取り、昨年のプリンスリーグ関西1部ではG大阪ユース戦の2発やC大阪U-18戦の先制弾など10ゴールをマークしている。試合終盤のゴールも多く、チームの3位に貢献。「前は10点取ってたんで、今年はもっと取って(得点ランキング)1位目指したいです」と力を込める。
その福本は、前線へ移行した3本目も決定的なラストパスを通すなどチャンスメーク。味方のシュートが決まらず、アシストとはならなかったが、U-16日本代表の廣山望監督やJクラブ、大学のスカウトたちの前でアピールした。
攻守にアベレージの高いプレーヤーだが、「ちょい抜けてることがない」と自己分析。ラストパスの質もまだまだ上げなければならない。また、肉体強化の成果が出ている守備面についても、「際とかも負けへんようにもっとやっていきたい」。全体のレベルをより上げることを自分に求めていく。
そして、阪南大高を引っ張って勝利へ導くこと。「チームはあんまり今いい状態じゃないんで、だからもっと自分が動かして、引っ張っていって、選手権だったりプリンスの上位を目指してやっていきたいです」と力を込めた。
個人の目標は3学年先輩のOB、FW鈴木章斗(現湘南)のように高卒でプロ入りすること。「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」で違いを見せたボランチは満足することなく、より高い基準を目指して自分の力を磨き上げる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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