[2.10 エキシビションマッチ 広島1-2G大阪 Eピース]
広島市内に新名所が誕生した。立地は広島駅から歩いても40分ほど。交差点の向かいにある原爆ドーム近辺には、サッカーユニフォームを来たサポーターの姿も多く見られた。広島市内の中心に建てられた新たなサッカー場。今季よりサンフレッチェ広島の本拠地となるエディオンピースウイング広島がお披露目となった。
広島にとって、新スタジアムの建設は悲願だった。開幕からJリーグに参戦する広島は、これまで広島広域公園陸上競技場を本拠地としてきたが、著しい施設の老朽化など問題は少なくなかった。そして紆余曲折はあったが、広島がJ1リーグ連覇を果たした12年13年ごろから具体案が出始め、19年になってスタジアム建設に向けた基本方針が固まった。
この過程を知る関係者にとっても、こけら落としゲームの感慨はひとしおのはずだ。そしてこの日のスタメンには、MF青山敏弘やMF柏好文、DF塩谷司、DF佐々木翔といった“生き証人”とも言うべき多くのベテラン選手がスタメンに並んでいた。
中でも柏は初ゴールを狙わんばかりの積極的なプレーをみせていた。前半22分には右クロスをダイレクトで合わせると、同42分には左サイドからのカットインで会場を沸かせる。惜しくも相手DFやGK一森純の好守に防がれたが、そのプレーぶりは新スタジアムに訪れたサポーターの心を掴んだはずだ。
柏自身も「歴史を築いてきた選手でピッチに立ちたくても立てなかった選手もいる。感謝の気持ちを持ってやること、いつ立てなくなるか分からないという覚悟を持ってやっていた。それと楽しんでやることをベースに、自分自身のプレーをみて元気や勇気を与えることを意識してやってきた。柏というプレーヤーの存在価値を示せた45分だったかなと思います」と充実感を明かす。
そして試合前やハーフタイムには、青山と感慨に耽ることができたとも話す。「交代したあとにスタジアムを見渡して、やっとできたんだという思いが出た。青さんともやっとここまで来たなという話をしながら、一緒にピッチに立つことが出来たので、ここからまだまだピッチに立ちたいねと話しました」。広島での11年目のシーズンへ、気持ちが改まったようだ。
新たな本拠地で、新たな歴史を作っていくことになる。前のスタジアムとは違い、観客席がピッチのすぐそばにあることから、選手間の声が通りづらいなど、課題も見つけることができた。ただ何より声援が後押しになると感じたという。「ここでどんどん勝利を重ねて、新たな歴史を築いていって、みんなで喜びを共有できるピッチにしていきたいなと思います」。新スタジアム元年の戦いがいよいよ始まる。
(取材・文 児玉幸洋)
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