[2.14 練習試合 日本高校選抜 2-1 流通経済大]
23年度、高体連の3年生左SBは有望株が多かった。神村学園高からベルギー・ゲンク入りした左SB吉永夢希をはじめ、水戸入りした左SB尾野優日(日大藤沢高)らJリーグへ進んだ選手が複数おり、大学へ進む選手にも実力派が多い。
その中で、日本高校選抜の左SBのポジションを担う回数を増やしているのが、DF市川和弥(尚志高3年)だ。尚志では2年時からCBのレギュラーを務めていたプレーヤー。だが、昨年、U-17日本高校選抜の左SBを務めていた市川が今回の日本高校選抜にも選出され、有力な先発候補になっている。
市川は、市立船橋高の左SB内川遼や大津高の左SB田辺幸久と印象に残っているSBの名を挙げていた。だが、彼らにも負けているつもりは全くない。自分の強みを左SBで発揮して相手のエース級のプレーヤーを封じ込み、このポジションで活躍する意気込みだ。
「守備のところでは、1対1では負けてはいけないと思いますし、デンソー(カップチャレンジ、2月末~)とか、ジェネレーション( 「NEXT GENERATION MATCH」、2月17日)とか、(対峙する)サイドハーフにプロ注目の選手が多いと思うんで、そこをどういう風に封じ込めていくかっていうのが、大事なところになるかなと思います」
SBは自分の特長である対人守備の強さを出しやすいポジション。目指すのはクロスを一度も上げさせないSBだ。「(尚志高の)仲村(浩二)監督も、サイドバックはクロス上げられたら負けみたいな感じで言っていた。いざ自分がサイドバックやるってなった時、クロスを上げられたらいけないなとは思ってます」。流通経済大との練習試合では対人守備の強さを見せた一方、クロスを上げられるシーンが1回。また、自分のサイドを破られたシーンもあっただけに満足していなかった。
また、攻撃面では得意とするビルドアップに加え、同じ左利きでクロスの上手いMF杉本英誉(青森山田高3年)らにクロスのコツをアドバイスしてもらっているのだという。角度や自身のスピード、ボールへの入り方を意識するなど、短い期間でも左SBとして成長中。今後、CBを続けるにしろ、左SB中心にプレーするにしろ、高校選抜で得た経験をしっかりと活かしていくつもりだ。
市川は昨年、日本高校選抜のサポートメンバーとしてチームに帯同。デンソーカップチャレンジ出場も果たし、大学生との対戦で自信をつけている。日本高校選抜は今年も大学生の地域選抜チームが日本一を争う同大会に出場予定。「デンチャレは去年、自分の経験を上げてくれて。対人の部分もやっぱりデンソーが終わってからは意識も変わったかなと思うし、詰める距離だったり、そういうのを教わったところなんで、今回もデンチャレに行くんで、吸収しながら自分が成長できる大会にしていきたいなと思います」。成長と同時に、結果にも貪欲。強力なアタッカーに1本のクロスも許さずに封じ、攻守で勝利に貢献する。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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