18日に行われたちばぎんカップの柏レイソル対ジェフユナイテッド千葉で珍しい事象が発生した。
千葉の1点リードで迎えた後半22分、柏が相手のCKからカウンターを発動する。FWマテウス・サヴィオがドリブルで持ち運ぶと、DFメンデスにユニフォームを強く引っ張られて止められた。先立圭吾主審がファールの笛を吹くと、サヴィオは即座にボールをセットしてクイックリスタート。MF山田雄士にパスをしてチャンスが続くも、千葉の守備陣が戻ってゴールには至らなかった。
先立主審はボールがタッチラインを割るとすぐにメンデスのもとへ駆け寄ったが、イエローカードは提示せずに注意のみの対応。明らかに相手選手の攻撃を止めようと試みるファールだったため柏側はカードをアピールするも、主審はキャプテンのDF古賀太陽などに説明してからそのまま試合を再開した。
この判定はSNS上でも話題になったが、競技規則で以下のように明記されている場面だった。
「主審が警告または退場と判断した場合、懲戒の罰則の処置をし終えるまでプレーを再開させてはならない。ただし、主審が懲戒の罰則の手続きを始めておらず、反則を行っていないチームがすばやくフリーキックを行って、明らかな得点の機会を得た場合を除く。懲戒の罰則の処置は、次にプレーが停止されたときに行われる。なお、反則が相手チームの決定的な得点の機会を阻止したものであった場合、競技者は、警告されることになり、相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止したものであった場合、競技者は、警告されない」
今回の事象に照らすと、先立主審は笛を吹いた直後にポケットに手を伸ばしたが“懲戒の罰則の処置”に相当するイエローカードを取り出して提示する前に柏がFKを行った。その結果カウンターのチャンスが続いたため主審は“明らかな得点の機会”の継続と判断。もともとメンデスに警告する予定だったと思われるが、“相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止”の反則後にクイックリスタートを認めたため、競技規則に基づいて“警告されない”、つまりノーカードとなった。
このような規定がある一方、同様の流れでファールが相手選手を傷つけるような“ラフプレー”の場合はクイックリスタートが行われてもプレーが切れた際に対象のカードが提示される。カードが軽減されるかどうかはアドバンテージを適用した場合と同じ基準だ。
主審がカードを提示する前にクイックリスタートが行われることは珍しく、メンデスもカード覚悟のファールだったこともあって中継でもノーカードの判定に驚くコメントが出ていた。開幕前にレアな場面が起きたことは、競技規則が浸透する点でよかったのかもしれない。
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Source: 国内リーグ
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