[2.20近畿高校選手権準決勝 東山高 5-1 草津東高 紀三井寺公園陸上競技場]
第76回近畿高等学校サッカー選手権大会準決勝が23日に和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で行われ、東山高(京都1)と草津東高(滋賀2)が激突。東山が5-1で勝利した。
東山が序盤から勢いのある攻守でプッシュ。後方から繫いで攻めようとする草津東に対し、前から強くプレッシャーをかけ、セカンドボールを回収して連続攻撃に持ち込んだ。前半12分、左サイドのゴールライン際からMF雪本迅之助(1年)がFKを蹴り入れると、ファーサイドの左SB沖村大也(2年)が頭で合わせて先制点を奪う。
草津東はMF上原周主将(2年)がDFラインにまで落ちてビルドアップ。下から繋ぐことにチャレンジし、精度も見せていた。だが、全体的に背後を狙う動きが少なく、相手のハイプレスを受けてしまう。19分、東山はショートカウンター。MF井上慧(2年)が左中間からドリブルで切れ込むと、FW吉田航太朗(2年)のシュートがファーへ流れたところをMF辻綸太郎主将(2年)が右足で押し込んだ。
さらに24分、FW小西凌介(2年)が相手GKにプレッシャーをかけてインターセプトし、吉田が右足でゴールへ流し込む。選手たちは停滞させることなく、貪欲に次の1点を狙いに行った。この日は、準決勝終了の約2時間後に決勝戦が行われるスケジュール。指揮を執った中原大亮コーチは「(決勝で勝つために余力を残したいということを)彼らも分かっていて、もう1点、もう1点って(前半で差をつけた)草津東の時に早く点差開けてっていうのを多分考えたと思う。それが今日、2試合タフでしたけど、良かったです」と振り返る。
東山は31分にも辻のラストパスで吉田が抜け出し、4点目。ハーフタイムに3人を入れ替えると、後半3分に交代出場のFW青山透吾(1年)が5点目を挙げる。この試合は決勝も見据えて10番FW山下ハル(2年)を起用せず、辻や主軸CB津崎翔也(2年)も途中交代。一方の草津東は後半、相手背後を狙う攻撃やサイド攻撃する回数を増やし、守備面で奮闘していたMF寺川剛正(2年)も前へ出て攻撃に係る。後半は渡り合う力を示したが、得点は左SB河崎暖希(2年)のスーパーゴールによる1点のみに終わった。
東山の中原コーチは、選手たちが自発的に言葉を発して集中を維持していたことを評価。新チームはメンバーを固定せず、競争力、選手層の向上を目指す取り組みを行ってきた。「(監督の)福重(良一)先生もそう思って、色々メンバーを固定せずに(昨秋の)選手権予選で負けてからずっとやっている。彼ら自身も、元々元気なヤツらなんですよ。それでモチベーションを持ってやってくれている。(ただし、ペースダウンする部分などもあったので、)あとは代わりに出てくる選手がもう一つ特長を出せたりとかすれば、もう少し引き出しもあって良いチームになるかなと思います」(中原コーチ)。
辻も「一人ひとりのパフォーマンスをもっと上げていかないといけないと思いますし、やっぱり途中出場の選手が結果残していかないと、もっとチームのレベルが上がっていかないと思うんで、チーム内の競争っていうのをもっと増やして、チームとしてもっとレベルを上げて、一人ひとりが点取れたり、絶対守れたりっていう、その特長をもっともっと伸ばしていかないといけないなっていう風に思います」と引き締めていた。24年シーズンの目標は日本一。快勝したことに満足することなく、より強い集団になることを目指す。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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