[2.25 J1第1節 東京V 1-2 横浜FM 国立]
横浜F・マリノスのハリー・キューウェル監督は0-1で迎えた後半11分、MF喜田拓也とMF水沼宏太に代わり、FW宮市亮とFWヤン・マテウスを投入した。ボランチ1枚を削り、ウインガー2人を入れるという攻めの起用。またトップ下のMF山根陸が本職のボランチに下がるのは自然だったが、不動の左ウイングのFWエウベルをトップ下に移した点に指揮官の色が出ていた。
FWアンデルソン・ロペスの背後に宮市、エウベル、ヤン・マテウスのウインガー3枚を並べる布陣。ぶっつけ本番のスクランブルだったが、この策は東京Vの守備陣を混乱させた。エウベルは左気味でプレーし続けたものの、ボールの流れに応じて自由にバイタルエリアを攻略。後半17分には右に流れながらヤン・マテウスに預けると、折り返しのパスからシュート性のボールをゴール前に送り込み、ビッグチャンスを作り出した。
そのシーンは宮市のゴールがオフサイドで取り消される形に終わったが、チームは直後にもDF松原健のシュート性のクロスがゴール前を横断するなど、短時間で数々のチャンスを創出。後半27分にエウベルとボランチのMF渡辺皓太に代わり、MFナム・テヒとMF天野純が投入され、その後は再びゆっくり押し込む攻撃に移っていったが、前に出る迫力ではエウベルのトップ下システムが上回っていた。
試合後、宮市はエウベルのトップ下起用について「めちゃくちゃよかったですね。彼はもうロナウジーニョにもなれるし、ネイマールにもなれるって言っときました」と笑み。普段は共に左サイドを本職とするため、交代ですれ違うことも少なくないが、珍しい共演にも「彼は本当に器用なのでいろんなポジションができるし、何本かいいボールも来ていた。新たなオプションになるのかなと思う」と好感触を語った。
また宮市自身も途中出場からチームに勢いをもたらし、逆転勝利に貢献した。英語でコミュニケーションが取れるキューウェル監督との関係性には「ポジティブなエネルギーをもらってピッチに立った」と手応えを述べ、指揮官の攻めの起用には「自分自身もすごく自信をもらえる」と前向き。「自分たちが求められている役割はゲームの流れを変えるところだと思う。結果的に勝つことができてよかった」と勝利を喜んでいた。
(取材・文 竹内達也)
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