[2.28 五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本 2-1 北朝鮮 国立]
日本女子代表(なでしこジャパン)は28日、パリ五輪アジア最終予選の第2戦で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と対戦した。日本はMF藤野あおばの決勝ゴールを守り抜いて、2-1で勝利。2大会連続6回目の五輪出場が決まった。
サウジアラビアで行われた24日の第1戦をスコアレスドローで終えたなでしこジャパン。池田太監督はDF古賀塔子、FW植木理子に代えてDF北川ひかる、FW上野真実をスタメンに抜擢した。
ここまで4-4-2で戦ってきた日本は、昨夏の女子W杯でも強さを発揮した3-4-2-1のシステムで運命の一戦へ。ゴールマウスはGK山下杏也加が託され、3バックは左からDF南萌華、DF熊谷紗希、DF高橋はな、左のウイングバックに北川、右にDF清水梨紗が入った。ダブルボランチにMF長野風花とMF長谷川唯が並び、シャドーの位置にMF上野真実と藤野。最前線はFW田中美南が任された。
試合は立ち上がりから日本がボールを握った。3バックからの配給で攻撃を組み立てると、中盤の長野、長谷川がサイドに散らす。高い位置にポジションをとる北川、清水にボールが入ると、そこからクロスや仕掛けでゴール前へ。上野、藤野を経由して先頭の田中を狙った。
日本は前半20分、自陣ハーフウェーライン付近の熊谷から縦パスが入ると、田中がフリックで上野へ。上野がワンタッチでリターン。田中が相手DFラインの背後に抜けかけたが、体をぶつけられてうまく持ち運ぶことができなかった。
前半22分には左サイドからMFチェ・クムオクに突破を許すも、カバーに入った高橋が対応。直後には、右サイドからのフリーキックをペナルティエリア内でMFジュ・ヒョシムに折り返され、混戦状態の中からピンチを迎えたが、なんとかボールを蹴り出した。
主導権を握りながらもゴールが遠い日本。それでも前半26分、敵陣中央でフリーキックを得ると、北川が左足で浮き球を入れる。ペナルティエリア内で熊谷が競り合ったボールは左に流れたが、上野の折り返しを田中が頭で合わせた。このシュートはGKパク・ジュミに触られたが、クロスバーを叩いて手前にこぼれたボールを高橋が押し込んでゴールネットを揺らした。
先制に成功した日本は追加点を狙って前がかりに。ボールロストからカウンターを受けて自陣への侵入を許すと、セットプレーから危ないシーンを作られた。前半45分には、左サイドから最大のピンチを迎えた。ペナルティエリア内のMFリ・ハクにパスが入ると強引にゴール前へ。MFチェ・クムオクがヒールシュートで放ったボールが枠内に転がるも、山下がゴールラインぎりぎりのところで掻き出した。
試合は日本の1点リードのまま後半へ。立ち上がりは北朝鮮に押し込まれる時間帯が続いた。前線の3人にボールが入るも、うまく収まらない。池田監督は後半18分にこの試合最初の交代を行い、上野に代えてMF清家貴子を投入した。同20分には右サイド、清水からのクロスに清家が合わせたが、シュートは枠を捉えることができなかった。
追加点が欲しい日本だが、その後も押し込まれるシーンが見られた。フリーキックから2度好機を作られるも、体を張った守備でゴールを死守した。後半26分には清家のスピードを使って陣地を挽回。シュートまで持ち込んだが、相手のブロックに遭った。
マイボールをうまく攻撃に繋げられない日本。それでも後半31分、敵陣右サイドで藤野が高く上がったボールを収めると、近くの長野に預けてゴール前へ。長野はワンタッチで同サイドの清水にパス。1枚交わして上げたクロスに藤野が頭で合わせて追加点を挙げた。
リードを広げた日本だが、後半36分に南のパスミスをリ・ハクに拾われると背後へのパスに抜け出したFWキム・ヒェヨンに1点を返される。その後も相手の猛攻に苦しんだが、熊谷を中心になんとか守り抜いて、2-1で逃げ切った。なでしこジャパンは今夏、世界一を目指してフランスのパリに行く。
(取材・文 成田敏彬)
Source: サッカー日本代表
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