[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.15 中国高校新人大会準々決勝 立正大淞南高 2-2(PK4-5)米子北高 広島皆実高G]
技術力の高いボランチが、立正大淞南高(島根)との激しい攻防戦で奮闘。競り合いで負けずにインターセプトしたり、ギリギリのボールを残したりするプレーが光っていた。「得意ではないですけど、気持ちとか出たらガムシャラにやっちゃいます」。試合を通してハードワークを続け、強豪対決勝利に貢献した。
MF山崎涼(1年=JOLLITY笠岡出身)は、米子北高(鳥取)の中村真吾監督が「単純に上手い。ウチの中では上手」というプレーヤーだ。そのMFは、指揮官が「今日は最後まで良いポジションを取り続けていた」と評する動き。高い強度と、切り替えの速い攻防戦を戦い抜いた。
山崎は前半24分、右中間の位置で粘り強く相手に対応し、身体を投げ出してタックル。インターセプトすると、素早く前方へボールを繋ぎ、同点ゴールの起点となった。「絶対に行かれたくないところだったし、逆に前に行ったらチャンスだったので、踏ん張って前に出しました」。際の局面で足を出してボール奪取に繋げ、起点となるパスやラストパスも通していた。
後半はMF柴野惺(2年)がCBからボランチへ移行。山崎は「(相手に合わせて)ボランチで縦関係作るってことを言って、柴君に前は任せて、自分は守備頑張ろうと思いました」。サポート役に徹したMFは、後半ラストまで集中したポジション取り。勝利に貢献した。
「最近だったら、タフさとかヘディング。自分、体小さいんですけど、結構ヘディングは自信あって、そこら辺を見て欲しいです」。そのタフさを発揮したが、攻撃に係わり、シュートを決めるところも武器。それだけに、「攻撃ではシュートも全然打ってなかったし、もっとシュートを意識しないといけないし、(崩しに)係わっていかないといけない」と満足はしていなかった。
これまでは食が細く、量を摂することができなかったという。体力面や声がけ、守備力も不足し、昨年はAチームに加わることができず、1年生チームでプレー。それでも意識して食事量を増やし、守備力も向上させてAチームでチャンスを掴んでいる。
今後へ向けて山崎は、「守備の能力とかを上げて、セカンドボールとかの予測も自分がもっと拾えばチームも楽だと思うので、そこをしっかり伸ばしていきたいです。守備はやっぱり今活躍してる遠藤航選手とか、攻撃面では田中碧選手みたいなラストパスを出せる選手になっていきたい。点が最近取れてないから、点取ってチームを勝たせる選手になっていきたいです」。技術力を備えたMFが山陰の強豪で成長中。中国新人大会は準決勝で敗れて優勝に届かなかったが、4月開幕のプレミアリーグWESTで活躍を続け、自身の可能性を広げる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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