「今年は新人戦で優勝したので、インターハイと選手権も優勝して3冠取って、日本一を取りたいです。(今年のチームは、)一人ひとり個性があって、ドリブルとか、パスとか、凄く技術が高いので、その技術を活かしたサッカーをしたい」(DF津久井小夏主将、2年)。昌平高の女子サッカー部が、2月の令和5年度埼玉県高校女子サッカー新人大会で初優勝。決勝で日本一経験を持つ本庄一高に4-0で快勝し、初の埼玉制覇を果たした。
昌平の男子サッカー部は、今年1月の全国高校選手権でベスト8。インターハイで3度の3位に入っているほか、昨年から“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグEASTに参戦している。加えて、2022年まで7年連続で高卒Jリーガーを輩出。全国的にも注目度の高いチームだが、女子も近年、着実に力をつけてきている。
男子コーチを経て、女子を指導する森田光哉監督の下、ドリブル、パス、ロングフィードといった多彩な攻撃と切り替えの速いプレッシングを軸とした“昌平スタイル”で勝負する。チームは昨年の全日本高校女子選手権関東予選1回戦で修徳高(東京)と対戦。同大会優勝校で全国8強の相手と延長戦の接戦を演じ、自信をつけた。
新チームは津久井やMF金澤道(2年)、MF佐藤李那(2年)、FW松井美優(1年)ら昨年からのレギュラー6人が残る。新人戦はチームリーダーで、守りの要でもある津久井不在の試合が続いたものの、堂々の県初優勝。森田監督は「全国に届く位置にいるかなと思っている。初出場へ向けて頑張りながら、日本一を目指していきたい」と語った。
津久井の兄は昌平OBで高卒2年目のJリーガー、鹿島CB津久井佳祐だ。今月9日のJ1第3節・町田戦で公式戦デビューすると、相手の強度に対抗し、特長の縦パスを通すなど奮闘。津久井はプレシーズンマッチの水戸戦を現地観戦し、「(兄は)ロングフィードもそうですし、1対1を個人で奪うところとか、緊張感の中で堂々と立っていたので、そこは凄く見習いたいです」と語っていた。
津久井は、兄同様の判断力の高さが持ち味。相手の動きを予測し、先に動いてボールを奪うことやロングフィードなどの配球でチームを支えている。「自分はキャプテンとしてチームをまとめたりもそうなんですけれども、後輩にも良いプレーを見せられるように声を出したり、点に絡んだりして、チームを優勝に導きたいと思っています」。兄の活躍から刺激を受ける主将を中心に、女子の昌平が一丸となって埼玉3冠、日本一を目指す。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
コメント