[3.15 中国高校新人大会準々決勝 立正大淞南高 2-2(PK4-5)米子北高 広島皆実高G]
登録159cmの小さなボランチが、セカンドボールを幾度も回収していた。立正大淞南高(島根)のMF西田樹(2年=宇治FCジュニアユース出身)は「予測は結構好きで、やって意識しています」。この日、負けん気も強いボランチは予測力と走力で米子北高(鳥取)に勝負を挑み、マイボールにする回数を増やしていた。
予測の速さは、中学時代から培ってきたものだ。「中学校の時から『こっちかな』っていうところを読んで、行って、違ったと思ったらすぐに切り替えて違う方向に行くってところを意識しています」。的確な予測。加えて、他の選手以上に切り替え速く動くことで、相手よりも先にボールに触れていた。
走力もこだわってきた武器だ。「絶対に僕より大きい相手の方が多いんで。そこの部分では走り負けたり絶対にしたくないなっていう気持ちがあって、絶対に走っています」。立正大淞南はダイヤモンド型の中盤。1ボランチの自分が幅広くカバーし、ボールを拾い続けて、味方の攻撃に繋げる考えだ。
目標は日本代表MF遠藤航(リバプール)。イングランドで自分よりも大柄な選手と渡り合っている。遠藤のような強さ、パスの正確性も身につけ、「そういうプレ-ヤーになっていきたいなと思っています」と力を込めた。
この日は好勝負を演じたものの、終盤に追いつかれてPK戦で敗戦。西田は「最後の最後、2点目のシーンで『オフサイドかな』って思って、その瞬間に僕が(プレーを)止めてしまった。あそこ止めなかったら絶対に点は無かった。良いゲームはできていると思いますけれど、日々の練習から全然勝ちにこだわるっていうところで全然こだわれていないところがある」と厳しい。
この日の自分のプレーについても、「まだまだいけるっす」。敗戦を一際悔しがっていたMFはチームメートとともに甘さを消し、より勝利にこだわっていく。「今年の目標は、まずインターハイで県で勝つこと。チームでの目標として、日本一っていうのを掲げてるんで、その部分では絶対に勝ちたい。日本一を取っていきたいなって思っています」。目標を達成するために、小柄なボランチが誰よりも走り、ボールを拾って味方に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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