日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が23日、試合中止が決まった北中米ワールドカップアジア2次予選・日本代表対北朝鮮戦について、延期試合を組むことは不可能だという見通しを示した。試合の扱いは国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会に付託されており、あらためて発表されるという。
日本対北朝鮮戦は当初、今月26日に北朝鮮・平壌の金日成スタジアムで行われる予定だったが、試合を4日前に控えた21日に試合中止が決定。アジアサッカー連盟(AFC)によると、今月20日に北朝鮮側から「平壌での開催はできない」という通知があったという。
田嶋会長によるとAFCは21日、同連盟本部のあるマレーシア時間21日午後3時までに中立開催地を提案するよう北朝鮮側に要請。JFA側も「試合5日前になってこういうことが起こるのかと非常に残念には思っていたが、いろんな事情があるということでその結果を待っていた」(田嶋会長)と対応に追われた。
ところが北朝鮮側から代替開催地の提案はなされず、同日夕には「代替の地でもやらないし、新たな日程を組むこともない。つまり平壌での試合をやることはないという通知が来た」(田嶋会長)という。AFCは22日、試合中止を公式発表し、次戦に備えていた日本代表チームは活動を中止した。
そこで焦点となるのは試合の扱いだ。AFCは22日夜、公式サイトの試合欄に一時「延期」と記していたが、次回6月の国際AマッチウィークはW杯2次予選2試合で埋まっており、9月以降も来年6月まで全てW杯最終予選で空きはない。国際Aマッチウィークに延期日程を設けるのは事実上不可能となっている。
この日、田嶋会長は「もう試合日程を組むことができない。6月2試合にあるのが決まっている。その前にもう1試合やることはできない」とし、延期試合を組むのは不可能であることを明言。その場合は没収試合で日本の3-0勝利扱いとなる可能性が考えられる中、「どうするかはFIFAの規律委員会で決めることとなっている。その結果はまだ出ていないので、どういう結果になるかは決まり次第、皆さんにアナウンスさせていただきたい」と述べた。
北朝鮮側とのやり取りは1-0で勝利した21日のホームゲーム中にも行われていたといい、「宮本専務理事と私、多くのスタッフでずっとミーティングし、相手ともミーティングしていたことで、試合をなかなか見られなかった」と田嶋会長。アウェーゲームの中止により、結果的にこの一戦が任期最終戦となり、「任期最後の公式戦で勝ってくれたことに感謝したい」と感謝した。
(取材・文 竹内達也)
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Source: サッカー日本代表
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