国際サッカー連盟(FIFA)は23日、当初26日に行われる予定だった北中米W杯アジア2次予選・日本代表対北朝鮮戦について、延期試合の再設定を行わないと正式発表した。当初の開催予定日に先立っての異例の発表。試合結果の扱いは規律委員会に付託され、あらためて判断が下されるというが、北朝鮮側に処分が下される可能性が高そうだ。
FIFAは今回の発表で「この試合は開催せず、日程変更もしないことを決定した」と明言。「DPRK(北朝鮮)サッカー協会によって確証された代替開催地はなく、この試合を延期するためのカレンダーの空きもないため」と理由を説明している。
26日の北朝鮮戦は当初、平壌・金日成スタジアムで行われる予定だったが、20日に北朝鮮サッカー協会がアジアサッカー連盟(AFC)に対し、平壌開催が不可能だと通達。AFC側は北朝鮮側の言い分について「やむを得ない事情」と伝えたが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の感染例が増えている日本からの入国者を阻むためと報じられている。
AFCは北朝鮮側に対し、21日午後までに代替開催地を提案することを求めたが、会場の確保が難航。同日夜には国立競技場での日本対北朝鮮戦が行われており、スタジアムでは北朝鮮協会から日本サッカー協会(JFA)に対し、日本開催の可能性を探る打診もあったが、国交のない北朝鮮選手団の滞在許可を延長するのは難しく、試合開催のためには延期するしかない状況となっていた。
もっとも国際Aマッチウィークは現在、空きがない状況。日本は次回6月の活動はW杯2次予選のミャンマー戦とシリア戦で埋まっており、それ以降も9月から来年6月までは全てW杯最終予選が組まれている。そのためJFAの田嶋会長も23日時点で「もう試合日程を組むことができない。6月2試合にあるのが決まっており、その前にもう1試合やることはできない」と述べ、延期日程を組むのは不可能だという見通しを示していた。
AFCは22日、この問題をW杯予選を統括するFIFAに付託しており、今回の決定はFIFAのW杯事務局が下したもの。またFIFAは今回の問題と試合結果に関し、規律委員会に付託することをあわせて発表した。規律委員会では北朝鮮側の責任が問われるとみられ、没収試合の処分で日本の3-0勝利となることが濃厚となった。その場合、日本は6月の2試合を残して2次予選突破が決まる。
また北朝鮮は前回カタールW杯アジア2次予選もコロナ禍による国境封鎖措置を理由に途中辞退しており、何らかの追加処分が下される可能性もありそうだ。
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Source: サッカー日本代表
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