[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.30 船橋招待U-18大会 前橋育英高 0-1 東福岡高 タカスポ]
新チーム始動から東福岡高(福岡)の指揮を執る平岡道浩新監督が、「物凄く期待している」「左足は凄い。一閃する」というレフティーだ。MF稗田幹男(新3年=下関市立垢田中出身)は、前橋育英高(群馬)とのプレミアリーグ勢対決で「正直、何もできてなかった」。それでも、圧巻の左足FK弾でチームを勝利へ導いた。
0-0の後半13分、東福岡は敵陣右中間でFKを獲得。キッカーの稗田は、「GKがファー寄りだったんで、ニアに落とすって感じで。置きに行くって感じです」と左足を振り抜く。緩やかに舞い上がったボールは、稗田の狙い通りにニア上へ。関係者たちも「あれは取れない」と驚く高精度FKがゴールネットに吸い込まれた。
決めた稗田は感情をほとんど表に出さなかったが、「(実は)すごい嬉しかったです。ずっと練習してたので。最近ちょっと成果が出て来だした」。高川学園高(山口)との練習試合などでもFK弾。176cm、74kgで推進力のある動きも見せるレフティーは、開幕直前のプレミアリーグWESTでも対戦相手を苦しめそうだ。
武器は何よりも左足。「左足のキックが一番強みだと思います。色々なボールが蹴れる。ストレートも得意です。低いボールとか伸びるボールも蹴れる」という。絶対の自信を持つ左足に加え、高校進学後に右足もレベルアップ。ヘディングも強いMFは、ゴール量産を目指している。
この日は、攻撃に上手く関われなかったことを反省。FWモハメド・サラー(リバプール)やMF久保建英(ソシエダ)を目標の選手に挙げるレフティーは裏抜けなどを磨き、「怖い選手になりたい。点を取ってチームを勝たせる選手になります」と宣言した。プレミアリーグの目標は「20点」。“天才肌”というレフティーが、コンスタントにゴールを重ねて名門校を勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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