[船橋招待]名門・桐光学園で早くも先発の新1年生。右SB萩原慶が攻守で一際光る動き

桐光学園高の右SB萩原慶(新1年=シュートジュニアユースFC出身)が攻守で光る動き
[3.30 船橋招待U-18大会 仙台ユース 0-0 桐光学園高 千葉工業大学茜浜G]

 入学式前の新1年生DFが、第29回船橋招待U-18サッカー大会で一際光る動きを見せている。DF萩原慶(新1年=シュートジュニアユースFC出身)は、昨年のインターハイ2位・桐光学園高(神奈川)の右サイドバック(SB)として、CB杉野太一主将(新3年)ら主力組とともに先発出場。50m走6秒2の俊足、「上下運動の体力が普通よりはちょっとあると思います」という武器を活かし、攻守で存在感を放った。

 まず目を引くのがスピードと積極性だ。この日2試合目の桐光学園は、シーズン開幕前のコンディションを考慮して先発組は前半25分間だけのプレー。その間に萩原は攻撃参加を3度4度と繰り返した。スピードに乗ったドリブルから味方のシュートシーンを演出。また、ハイサイドから縦への一瞬の加速でマークを外し、ラストパスへ持ち込んだ。

「どんどんボックス内に侵入して行けるようにするのをずっと心掛けていて、『できるだけ前に侵入して』っていうのを勝さん(鈴木勝大監督)にも言われてて、それをずっと意識していました」。シュートジュニアユースFC時代の3年間は、主に右ウイングバック(WB)と右SB。ドリブルなどの技術力、ペナルティエリア(PA)への侵入の仕方を学んだという。また、DFダニエル・カルバハル(レアル・マドリー)の打開の仕方などSBのプレー集をチェックし、活用。3年生の中で物怖じすることなく、自分の特長を表現していた。

 その積極性は守備でも。相手との距離を一気に詰めて、ボール奪取の回数を増やしている。攻め上がった背後を突かれても、振り切られることなく、追い込みながらタッチライン際へ。そして、迫力のある動きでガシッとボールを刈り取ったり、スローインでプレーを切ったりしていた。

 守備面について、本人は感覚的に動いていることを説明していたが、「(守備も)苦手ではないです。運動量を活かして、できるだけ上下運動のところでも前にプレスを掛けて行って、そこで違う方に行かれても、まずは戻ったりとか、守備での面でも運動量のところを心掛けています」。得意とする攻撃だけでなく、守備でもAチームの戦力になっている。

 桐光学園の石橋清一ヘッドコーチ(兼チーフスカウト)、また元Jリーガーの鈴木勝大監督も「1年生でグングン上下動できる。怖いもの知らずでアタックできる」とその力を高く評価。本人はスピードに乗った状態でのクロス精度を課題に上げていたが、大学生との練習試合でクロスからアシストして周囲を驚かせたという。また、競りながらのヘディングで遠くへ飛ばすことも課題だが、跳躍力も兼備。175cm、60kgほどのDFは今後、肉体強化とともに空中戦でも力を発揮しそうだ。

 高校進学を前に他の関東、東北の強豪校からの誘いもあったというが、「1回練習会に行った時に、その強度とか声のところとかが凄くいいなって思って。自分、通いはちょっと時間がもったいないなって思ったんで、寮があるか聞いたら、グラウンドのすぐそばに寮があって、それが良くて桐光学園にしました。サッカーと勉強に100パーセント打ち込めるように」と文武両道で地元の桐光学園への進学を決断。4月の入学式を前に早くも大きなポテンシャルを示している。

「今まで小学校の時も市トレ落ちて。トレセンとか代表とかも1回も経験ないです」というが、桐光学園で公式戦出場を続ければ、「今の1番の目標です」という年代別日本代表入りの可能性も広がる。

「まず個人としては、やっぱり桐光を全国優勝に導けるようなサイドバックになりたいと思っています。そのためには、まだまだクロスの精度とか対人強度のところで負けてしまう部分があるんで、そういうところをどんどん強化して、それを結果に出せればいいなと思います」。全国大会級のフェスティバルで存在感を放つ新1年生。これからを大事に、強豪校で自分を磨き、飛躍に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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