[4.7 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 広島ユース 2-0 帝京長岡高 安芸高田市サッカー公園]
後半43分、GKとの1対1を制して2-0とするゴールを決めたサンフレッチェ広島ユースMF小林志紋(2年)は、天を仰いで安堵の表情を浮かべながら、出迎える控えメンバーの元へと走った。前半の2回のチャンスを帝京長岡GK小林脩晃(3年)にセーブされ、後半13分にはGKと1対1の決定機を迎えたが止められてしまう。ようやく決めた『四度目の正直』のゴールで勝利に貢献し、「決めることができてホッとしました」と振り返った。
本来のポジションは2シャドーの一角だが、この日は1トップでプレー。フル出場で結果を残し、「裏に抜けたりして特徴を少し出して、得点もできたのでよかった」と語りつつも、「チャンスを作ったり、チームを助けるプレーがもっとできたと思う」と反省点を挙げ、「チームのために最後まで走れる選手になりたい」と今後に目を向けた。
広島ジュニアユースから昇格した1年生だった昨年度、当初はセカンドチームが参戦しているプリンスリーグ中国に出場していたが、終盤はプレミアリーグのメンバーに食い込み、2得点を挙げた。神村学園高(鹿児島)との最終節では、2-2で迎えた後半に交代出場すると、残り5分で鮮やかなミドルシュートを決め、3-2の勝利に貢献。引き分けなら神戸U-18に優勝をさらわれていた状況で、スーパーサブとして鮮烈な印象を残した。
今年度は先発メンバーとして開幕戦から出場し、なかなかゴールを奪えなかったが、最後はネットを揺らした。スーパーサブからスタメンへ、昨年とは異なる自らの役割を「スタメンから出るので、前半からチームの勢いを上げていかなければいけない。途中から出るのとは違う責任がある」と語る。
野田知監督は、今年に入ってU-16日本代表の海外遠征を経験したことが良い影響をもたらしているとする一方で、「最後の仕留めるところ(が足りない)。昨年は終盤に仕留めてくれましたが、今年はもっともっと点を取らないと」と指摘した。現在はプロ契約を締結したMF中島洋太朗(3年)とFW井上愛簾(3年)がトップチームに帯同しており、ケガ人も多い状況だが、「ケガ人や洋太朗、愛蓮が戻ってくると競争になる。志紋も、うかうかしていられない」とハッパをかける。
もちろん、これからもポジション争いを勝ち抜き、チームに貢献するつもりだ。「連覇と、ファイナル制覇」を掲げるアタッカーは、「もっとチームのギアを上げて、ゴールを決めていきたい」と力強く語った。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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