[4.20 プリンスリーグ東海第3節 藤枝明誠高 1-1 静岡学園高Ⅱ 藤枝明誠高G]
一度ボールを持ったら簡単には奪われない。技巧派が集う静岡学園高(静岡)の中でもドリブルの上手さは目を惹く。藤枝明誠高(静岡)と静岡学園高Ⅱの試合で存在感を見せたのはレフティーのMF神吉俊之介(2年=アミザージ神野SC出身)だった。
1年生だった昨季の終盤にBチームのメンバーに登録されたが、試合には出場せず。開幕戦はメンバー外、第2節は途中出場だったため、今節がプリンスリーグ東海で初めてのスタメン出場だった。「僕自身、応援のある試合は初めてだったので、立ち上がりは飲み込まれていた」と振り返る通り、序盤は硬さが見られた。
果敢に高い位置から繰り出す藤枝明誠の守備に飲まれたチームメイト同様、神吉も「前の試合よりプレスや球際が強くて良い入りではなかった」と口にする。ただ、前半半ばを過ぎた頃に右サイドでボールを受けると縦突破に成功。「これは行けるなと思って、乗ってきた」という神吉は後半の立ち上がりにも自らの仕掛けが成功し、勢いに乗っていく。
後半11分に作った見せ場も特徴を上手く出した形で、右サイドを巧みに仕掛けてから中に出すと見せかけ、シュート。23分には右CKから直接ゴールを狙ったが、わずかにゴールの外に逸れた。得点には至らなかったが、会場を楽しませた一人であったのは間違いない。
神吉自身、憧れだったチームでのプレーに心を躍らせている。小学生の頃にコーチから静岡学園の存在を教えてもらい、プレー動画を見てから、シズガクの虜となり、高校から静岡で挑戦しようと決心。「静岡学園でプレーしようと思ったら、個人で勝負できる足元が欲しい。ドリブルなど個人で打開するチームが良かった」と中学はテクニック指導に定評のあるアミザージ神野SC(兵庫)への加入を決めたという。
ここでは県トレセンに選ばれていたものの、チームとしての結果は振るわず。中学3年生の県大会は初戦敗退で終わったが、「自分が全てやるという気持ちでやっていた」ことが奏功し、憧れだったシズガクから声がかかった。
ただ、強豪校とあってチームメイトのレベルも高い。「同級生は北田(優心)君とかみんなレベルが高い。練習の初日は衝撃的過ぎて、やっていけるのかなと思ったのですが、次の日ぐらいからサッカーが凄く楽しくなった。自分が見たことないような選手ばかり。ドリブルが上手い選手だけでなく、スピードがあって上手い選手、パスが上手い選手など色々なタイプがいて面白い」。競争を乗り越え、Bチームまでたどり着いた昨年は先輩から、ボールの受け方や守備強度を教わり、成長を実感しているという。
見据えるのは更なる先のステージだ。「まずはプリンスリーグで出場時間をもらって、アシストやゴールなど数字に残る結果を出したい。昨年のルーキーリーグもプレーは良かったのですが、なかなかゴールが奪えなかったので、今年はそこを改善して川口修監督に評価されたい」。そう意気込む神吉は早くてインターハイでのメンバー入りと、全国大会の活躍を狙っている。
(取材・文 森田将義)
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Source: 大学高校サッカー
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