[4.20 関東ROOKIE LEAGUE Aリーグ第1節 静岡学園高 0-2 帝京高 時之栖裾野G]
前半半ばに負傷交代したため、プレー時間は短かったものの、昨年のエースストライカーを彷彿させるようなプレーを見せた。静岡学園高(静岡)FW坂本健悟(1年=大阪市ジュネッスFC出身)は、182cmの長身ストライカー。この日はターンからDFの股間を狙った右足シュートを枠へ飛ばすなどシュートが武器で、ポストプレーや攻守両面でのヘッドも魅力だ。
「自分、身体は結構デカいですけど、しなやかさとか技術も結構自分ではあると思ってるんで。シュートも自分、得意です」と坂本。負傷離脱し、チームは帝京高(東京)戦、前橋育英高(群馬)戦と連敗したために「悔しかったです。自分がおったらなって。絶対勝たせれるのに、とは思ってるんですけど、チームのために頑張りたいですね」。まずはコンディションを回復させて、復帰戦から静岡学園の勝利に貢献する意気込みだ。
指揮を執った齊藤興龍コーチもそのポテンシャルについて、評価する。本人は中学卒業時、進路について熟考した末、育成面の評価と昨年のエースFW神田奏真(現川崎F)に影響を受けて静岡学園進学を決断したという。
「神田君の存在があって、去年はもう神田君のチームみたいになっていたじゃないですか。そんな感じに自分もなりたいなと、静学を選びました。神田君みたいに自分が決定的な仕事をして、自分のチームにしたい」。テクニシャンの多い静岡学園の中で、自分の武器が目立つと考えたことも進学理由だった。
先輩FW神田は、静岡学園1年時の関東ROOKIE LEAGUE Aリーグでダントツの14ゴールを叩き出し、得点王とMVPの2冠。同年にU-16日本代表候補に選出され、高校3年時にはU-18日本代表入りを果たした。最終学年は怪我もあったが、出場した公式戦のほとんどでゴールを決めている。坂本にとっても、目標とするプレーヤーだ。
「神田君はフィジカルとかそっちの能力ばっかりみんな意識してると思うんですけど、めっちゃ足元の技術もあって、シュートもほんまに上手いし、ジャンプしてボールを収めるとかも、自分も結構得意なんでやるんですけど、その収めた後のブレへん動きとか、自分にはちょっとできへんレベルにある」
神田に比べると、坂本はスピードも、技術面もまだまだこれからだ。だが、中学1、2年時はBチーム。3年間で身長が約28cm伸び、プレーの幅が広がった。静岡学園進学からの数週間でも、リフティングやボールフィーリングを徹底してきたことでゴール前でのトラップなどの質が向上。直訴して神田の1年時の背番号「20」を着用しているFWは、1年目から少しでも先輩に近づけるように努力を重ねる。
チームは連敗スタートとなったが、前橋育英戦で1得点のMF松永悠輝や静岡学園中出身のボランチMF泉新、四国出身の注目株でU-15日本代表歴を持つMF加集啓太、ともに184cmのCB飯尾善とCB保延昭良ら今年も楽しみな選手が多い。激しいチーム内競争の中でレベルアップし、大会のテーマ「U-16とんでもない選手になれ!」に応える。
(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー
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