[4.25 AFC U23アジア杯準々決勝 日本 4-2(延長) カタール ドーハ]
値千金のヘディング弾だった。1-2と10人のカタールにまさかのリードを許していた後半21分。MF山本理仁が蹴った右CKにU-23日本代表DF木村誠二(鳥栖)が高い打点で頭を合わせて2-2の同点に追い付いた。
「相手のゾーンの守備はそんなにタイトではなく、人よりもボールにいく感じだった。ちゃんとスペースにボールが来れば触れる感覚はあった。理仁が良いボールをくれた」。身長186cmのセンターバックは笑顔を見せた。
パリ五輪を目指すこのチームでは立ち上げ時から主力として起用され、セットプレーのターゲットにもなってきたが、これまではなかなかゴールが決まらなかった。しかし、今大会ではグループリーグ第2戦のUAE戦で大岩ジャパンでの初ゴールを決めたのを皮切りに、わずか数日で2点目という覚醒ぶりだ。試合後は「なんかボールの軌道が最近よく見えるようになった」と言い、今季から動体視力のトレーニングを取り入れていることを明かした。
木村は今季、FC東京から期限付きで鳥栖に移籍したものの、1月のキャンプ中に左太もも裏を負傷。リハビリ期間中に鳥栖のチームトレーナーから「目が弱い」と指摘を受け、動体視力トレーニングを教わったのだという。
「軌道を読むところ、空間の認識能力は上がっていると思う。前よりもボールに向かってしっかり飛べている感覚があるので、自分のところにピンポイントで来なくても合わせることができるようになった。自信はかなりついてきています」。ケガをして自分の体を見つめ直した時間が能力の向上につながった。
一方で、守備では難しい対応もあった。前半のアディショナルタイム、ロングボールの競り合いで木村のひじが相手に当たり、イエローカードを提示された。すると、カタールのGKは木村にファウルを誘発させようと狙いを定めた。
「ゴールキックの時は(高井)幸大と位置を入れ替えて、幸大に競ってもらおうと思ったんですけど、入れ替えたところを見て僕の方に蹴ってきた」
狙われていることが判明してからはシンプルにそれまで通りの守備を貫き、木村本来のクリーンな守備でしっかりとボールを跳ね返した。
もっとも、チームとして自信を持っていたはずのセットプレーの守備で失点が続いていることは反省材料だ。
「後半の頭から(松木)玖生と(藤尾)翔太を入れ替えてセットプレー1個目でやられた。もう一度全員で確認する必要がある。全員で強固なブロックを作れるように確認していきたい」
次の準決勝は勝てばパリ五輪切符を手にすることになる大事な試合。そこに向けてもう一段階、ギアを上げていくつもりだ。
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Source: サッカー日本代表
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