[球蹴男児U-16]D1リーグ初参戦の飯塚が終盤の強さを発揮。後半44分の同点弾で神村学園と2-2ドロー

後半44分、飯塚高MF杉本凛琥が同点ゴール
[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 飯塚高 2-2 神村学園高 大津町運動公園球技場]

 九州地域のU-16年代において、長期のリーグ戦を通じて選手の育成及び指導者のレベルアップを図る「2024 球蹴男児U-16リーグ」のD1リーグが4日に開幕した。昨年のD2リーグ優勝チームの飯塚高(福岡)とD1リーグ2位・神村学園高(鹿児島)が激突。後半44分に飯塚が交代出場FW杉本凛琥のゴールで追いつき、2-2で引き分けた。

 試合終盤、飯塚のFW石黒聡は繰り返し前に出る動きで反撃の中心に。飯塚は神村学園DFに跳ね返されても石黒らが繰り返し仕掛け、相手ゴールを脅かし続けた。そして、44分、飯塚は交代出場のFW権藤昊が左のスペースへ抜け出し、ラストパスを杉本が左足でゴール。石黒は「チームが周りでサポートしてくれて、だいぶやりやすかったです。前半、押し込まれてキツかったんですけど、最後に走ってみんなで同点まで追いつけたので、良かったです」と微笑んだ。

後半44分、飯塚高はMF権藤昊のラストパスから杉本が決めて同点

 前半は神村学園が抜群の上手さと強さを見せた。3分、左中間から抜け出した左WB大藪壯太郎がGKをかわして先制ゴール。個でボールを運べる選手の揃う神村学園だが、右サイドでダイナミックな動きを見せる182cmWB竹野楓太や前線で奮闘したFW岡野綱人をはじめ、強度の部分でも飯塚を上回るような前半だった。

前半3分、神村学園高MF大藪壯太郎が先制ゴール

 中でも、ともに160cm台前半のダブルボランチ、MF花城瑛汰とMF山室優貴が攻守両面で存在感。相手のプレッシャーを苦にすることなくボールを前進させ、花城は正確なキックでもチャンスを創出していた。加えて、2人は危機察知能力の高さを感じさせる動き。特に後半は、山室が絶妙なカバーリングで相手の決定機を連続で阻止するなど、2人は守備面での貢献度も高かった。

 神村学園は、先制後も攻勢を続け、相手のミスからMF奥田敦斗がポスト直撃の左足ミドル。30分には右CKのこぼれを奥田が右足で決め、リードを2点に広げた。一方の飯塚はすでにプリンスリーグ九州1部でベンチ入りしているDF坂本馳空が不在。前半は非常に苦しい時間帯が続いたものの、相手の攻勢が緩んだことやGK小田詩文の好セーブもあり、2失点で踏ん張る。

前半27分、神村学園高MF奥田敦斗が追加点

 そして、「(強みは)しっかり前線から走っていくことと、粘り強く最後まで力強くやることです。(また、)自分は体が武器なんで。体を使ってしっかり相手キープして突破すること」を意識しているという石黒やFW波多野奨、MF宮原脩斗の仕掛けなどで反撃する。そして、45+2分、右CKから石黒が頭で追撃ゴール。このゴールで勢いに乗った。

前半45+2分、飯塚高FW石黒聡が追撃ゴール

 ハーフタイムの飯塚ベンチからは「オレたちの方が絶対走れる!」の声。島田一真部長兼コーチも今年のチームの終盤の強さや粘り強さを評価していたが、その力を「球蹴男児U-16リーグ」開幕戦で発揮した。

 神村学園は花城らがボールを落ち着かせていたものの、守備に追われる中でゴールへ向かう姿勢がやや希薄に。対して、飯塚はMF今泉瑛翔やCB貞金大樹がボールを奪い切る力を表現して攻撃に結びつけた。

飯塚高はMF今泉瑛翔は中盤の守りを引き締めた

 そして、石黒が「自分たちは練習でいっぱい走っている。(いつも)最後、相手の足が止まってくる」と説明する飯塚は、豊富な運動量を活かして連続攻撃。神村学園はDF中江銀次を中心に、184cmDF樽見俊太朗、182cmDF尾関晴が水際でよく凌いでいたが、終了1分前にゴールをこじ開けられた。

神村学園高MF山室優貴は相手の決定機を連続で阻止した

 飯塚はD1リーグ初陣で勝ち点1を獲得。石黒は「(昨年の)先輩たちが上げてくれたので、そこに感謝しながら1試合1試合全力で戦っていきたいです」。ミズノチャンピオンシップU-16 ルーキーリーグ出場プレーオフ圏内の3位以内は絶対の目標。飯塚初のD1リーグで自分たちの強みを存分に発揮し、勝ち点を積み重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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