[プリンスリーグ関西2部]互いに守備面など手応え。近大附vs金光大阪はスコアレスドロー

近大附高DF咲本大(左)と金光大阪高FW前田翔吾がボールを奪い合う
[5.5 プリンスリーグ 関西2部第5節 近大附高 0-0 金光大阪高 近大附高G]

 5日、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2024関西2部第5節で、2勝2分の3位・近大附高(大阪)と2分3敗の9位・金光大阪高(大阪)が対戦。0-0で引き分けた。

 互いに守備面での手応えを持つ両校の戦いは、0-0で90分間を終えた。「競争をテーマに(開幕から)1試合も同じメンバーでやらずに、システムも3バックベースに色々変えながら、チャレンジしている部分もあります」と寺師悠斗監督が説明する近大附は前半、メンバー変更の影響もあってか、なかなかチームが噛み合わない。

 DFラインからボールを繋ぐ金光大阪に対し、前からボールを奪いに行くものの、中盤へパスを通され、サイド攻撃に持ち込まれた。金光大阪は開幕後に復帰し、コンディションを上げて来ているMF田島悠玖(3年)が攻撃の中心に。その田島や右WB南原大晴(3年)の仕掛けなどからゴール前のシーンを作り出した。

 一方の近大附はマイボールに変えると、ビルドアップからキック精度の高いGK相原優成(3年)やDF清水悠史(2年)のロングボールを交えた攻撃。だが、注目エースのFW高畑宗希(3年)にボールが入ると、金光大阪は複数の選手で挟み込むことを徹底する。

金光大阪はDF井上秀主将らDF陣が安定

 近大附はエースが厳しいマークを受ける中、FW柳本時郎(3年)がPAへの抜け出しやシュートを狙うが、金光大阪はDF堀田朔太郎(3年)を中心に、DF井上秀主将(3年)、DF熊倉光汰(3年)の3バックが安定。前節(対東山高)はセットプレーでの5失点を含む6失点を喫していた金光大阪だが、岩松哲也監督も「(プリンスリーグ初出場の選手もいた中で)よう踏ん張ってやったなと思います。ほんとに守備はよかったと思います」と評したように、熊倉の負傷交代があったものの、崩れることなく試合を進めた。

 その金光大阪は、井上の縦パス一本でFW前田翔吾(3年)が抜け出し、左足シュートを放つシーンも。後半もFW西原優眞(3年)や田島がボールを運んでゴールに迫る。だが、近大附は後半に存在感を増した高畑がカウンターからドリブルで2度3度と中央突破。また、交代出場のMF川田太陽(2年)が鋭い動きでシュート、ラストパスへと持ち込んだ。

金光大阪FW西原優眞がゴール前に潜り込もうとする

 加えて、MF有村勇人(3年)が攻撃に係る回数も増加して攻撃にリズム。そして、27分、交代出場のMF直野醍冴(2年)がドリブルからのシュートでゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でゴールは認められなかった。

MF有村勇人は後半にボールに係る回数を増加。近大附の攻撃にリズムを加えた

 金光大阪もMF江上昴輝(3年)の右クロスから西原が決定的なヘッド。PAまで持ち込み、セットプレーの本数を増やしたものの、今季4試合で1得点、10番FW矢野陸(3年)も欠いた攻撃陣はラストの精度を欠いてしまう。45分に右CKからMF中村俊哉(3年)の放ったヘッドも枠上へ。近大附のGK相原、DFリーダーの清水、注目DF咲本大(2年)、際の強いDF橋本直也(3年)を中心とした堅い守りを最後までこじ開けることができなかった。

後半45分、右CKにMF中村俊哉(7番)が飛び込む
近大附は際の強さを発揮したDF橋本直也らDF陣が崩れず

 金光大阪は前半から優勢に試合を進めながら、初白星はならず。岩松監督は終盤のチャンスのシーンについて、「勝つチームはやっぱりあそこで決めるからね」と指摘する。指揮官が「真面目なヤツが多い。守備とかは計算できるんですよ。みんな、したたかに頑張るので。大崩れはしない」という今年、攻撃の崩しの形作り、得点力の向上を目指しながら、次節、そして連覇を懸けたインターハイ予選(5月19日初戦)へ向かう。

 一方の近大附も、得点源のFW今本大晟(3年)が負傷離脱中。攻撃面に課題を残し、連勝を逃したが、悪い流れの試合でも我慢強い戦いができている。無敗を維持したことについては、寺師監督も「成長して、ちょっと我慢強くはなってきた。(今日も)最後までやられなかった。彼らはセットプレーも含めて凄く集中してたし、良かったです」と評価。競争によって、個人、チームが成長していることも確かだ。インターハイ予選は3大会連続で代表決定戦敗退中。壁を破るために行ってきた強化を全国大会出場に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)


●高円宮杯プリンスリーグ2024特集
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました