[5.11 高円宮杯プリンスリーグ中国第6節 立正大淞南高 3-5 岡山学芸館高 松江市営補助競技場]
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 中国は11日に第6節が行われ、立正大淞南高(島根)と岡山学芸館高(岡山)が対戦。激しい点の取り合いを制した岡山学芸館が、5-3で勝利を収めた。
予想最高気温が30度だった松江市(島根)は朝から強い日差しが照りつけ、厳しい暑さの中で13時30分に始まった一戦は立ち上がりから大きく動いた。前半2分、岡山学芸館は左CKを獲得すると、MF岡野錠司(3年)のキックを、右サイドハーフで先発したFW岸昂希(2年)がヘッドで合わせ、いきなり均衡を破る。
立正大淞南も再開直後にCKのチャンスを作るなど反撃に転じたが、岡山学芸館は9分に追加点。岸がFW太田修次郎(3年)のパスに合わせて抜け出すと、GKとの1対1を冷静に決めてリードを広げた。
岡山学芸館は22分にもFKからFW香西健心(3年)が惜しいヘッドを放つなど、さらに点差を広げようとするが、前半の飲水タイム後に立正大淞南も盛り返し、34分に1点を返す。MF豊田寛太(2年)が前線のスペースに送ったパスを追ったFW若槻大雲(2年)が、岡山学芸館GK本田世成(3年)と交錯した後のこぼれ球を蹴り込んで2-1とする。
だが岡山学芸館は40分、右サイドから攻め込むと、DF道満智哉(3年)のセンタリングを香西がヘッドで決めて3点目。44分にはエリア内右サイドで太田からのパスを受けた岸が、相手の選手がタックルに来るのを見極めて切り返しで外してから左足で決め、前半だけでハットトリックを達成して4-1とした。
しかし立正大淞南は前半アディショナルタイムの45+3分、右サイドでパスを受けたMF山田都愛(3年)が、左足でファーサイドに蹴り込み、2点差に縮めてハーフタイムへ。後半開始直後の2分にもCKを獲得すると、豊田のキックをDF高麗空飛(3年)がヘッドで決めて1点差に詰め寄った。
勢いに乗る立正大淞南は、その後も山田都が右サイドから、後半開始から交代出場したFW三島拓人(3年)が左サイドから何度もドリブル突破を仕掛けてチャンスを作り出すが、11分に山田都のセンタリングを中央で合わせたMF山田涼斗(3年)のヘッドはゴール上へ。岡山学芸館も17分、FK後のこぼれ球をゴール前でフリーになっていた太田が右足ボレーで狙うも、こちらも上に外れた。
懸命にゴールをこじ開けようとする立正大淞南は、29分に山田涼が右足でミドルシュートを放つもGKに防がれた。結局、次の1点を奪ったのは劣勢の時間帯を耐えた岡山学芸館で、33分に太田のパスから左サイドでフリーとなった香西が、右足で蹴り込んで5-3。その後も立正大淞南は最後まで攻め続けたものの、2点差で試合終了となった。
第4節まで唯一の開幕4連勝で首位に立っていた立正大淞南は、初黒星を喫した前節に続く連敗で3位まで後退。特に後半、勢いに乗ったときの攻めは迫力十分だったが、4失点を喫した前半の不出来が響く結果となり、野尻豪監督は「この敗戦を、どうやって消化するか。どこかで乗り越えなければいけない」と立て直しを期していた。
岡山学芸館は5勝1分として首位を守り、同日に引き分けた2位の高川学園高(山口)との勝ち点差を2に広げた。就実高(岡山)を5-4で下した前節に続いて5得点を挙げ、6試合の総得点18はリーグ最多と(10チーム中2チームは今節の試合を未消化)、今年度のチームの持ち味である得点力を遺憾なく発揮している。
前節の4失点に続いて今節は3失点を喫し、高原良明監督は「守備のコミュニケーション不足や、シンプルにクリアしなければいけないところで、やり過ぎてしまって(パスをつなごうとして)失点するプレーがある」と指摘。一方で「太田と香西がしっかり前線でハードワークしてくれた」と収穫も挙げ、「やらなくてもいい失点を防げば、流れを相手に持っていかれず、ウチの良い時間帯が長く続くと思う。そこを、もっと徹底していきたい」と、より高いレベルへの進化を期していた。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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