Jリーグは21日、理事会を開き、Jリーグ公式戦の一発レッドカード判定に明らかな誤りがあった場合、出場停止などの懲戒処置を事後的に取り消す新規定を決議した。日本サッカー協会(JFA)の新懲罰規定とともに5月25日から適用されるという。
JFAは今年3月、危険なタックルなどの「著しい反則行為」に最低2試合の出場停止、「選手等に対する暴行」には最低3試合などとする新たな懲罰規定を発表。アジアサッカー連盟(AFC)などの国際基準に合わせた規則改正だった。
その一方、新懲罰規定のもとでは複数試合の出場停止が増える「重罰化」が見込まれる中、Jリーグ側は「明らかな誤りを取り消せる規則をセットで導入しないと整合性が取れない」と判断。3月以降、懲戒処置に明らかな誤りがあった場合の取り扱いを議論してきた。
Jリーグによると、FIFAやAFCの規律委員会には「明らかな懲戒処置の誤りを修正する」ことが明記されており、海外リーグでも同様のルール運用がなされている。こうした事例も踏まえ、審判の一発レッドカードに明らかな誤りがあった場合のみ、出場停止などの処分を科さないことが決まった。なお、イエローカードには適用されない。
新規定では一発退場となる以下の違反行為で、明らかな誤りがあったケースが対象となる。
(1)ハンドの反則を行い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
(2)フリーキックで罰せられる反則を行い、全体的にその反則を行った競技者のゴールに向かって動いている相手競技者の得点または決定的な得点の機会を阻止する。
(3)著しく不正なプレーを行う。
(4)人をかむ、または人につばを吐く。
(5)乱暴な行為を行う。
(6)攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
(7)ビデオオペレーションルーム(VOR)に入る。
なお、新規定に基づいて処分を科さないことが決まった場合、反則ポイントの加算は行われない。一方、公式記録(退場したという記録など)の訂正も行われないという。
(取材・文 竹内達也)
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