パリオリンピック前最後の海外遠征に臨む。日本女子代表(なでしこジャパン)は今月末からスペイン遠征に出発。池田太監督は「メンバー選考も含めて、一人ひとりの重要な活動になってくる。限られた時間を大切にしながらチームの強化に努めたい」と意気込みを口にした。
パリ五輪出場が決まっているなでしこジャパンは、今回の遠征、そして7月13日に石川県で行われる国際親善試合・ガーナ戦と2度の活動を終えると、いよいよ本大会へ。指揮官は残り少ない活動時間で五輪に臨む18人のメンバーを決めていくことになる。
4月のシービリーブスカップは2連敗に終わり、白星を手にすることはできなかった。今回20人が再び招集され、選出外だったFW千葉玲海菜(フランクフルト)、DF高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)が復帰。少しずつメンバーが固まっていくなかでも、指揮官は改めてチェックしたい選手を招集した。「チームとしての積み上げも考えるが、一人ひとりのやれることや役割、戦い方を考えていきたい」と遠征のテーマを掲げた。
選手たちに求める要素は「一人ひとりのポテンシャル」(池田監督)。各ポジションの役割を徹底できるか、さらに各ポジション間の選手同士での連係なども挙げる。「一人ひとりのポテンシャルが発揮されているか。前回の活動から選手たちが所属チームで成長してくれたと思う。その成長を見ていたいというのが、この遠征の狙いでもある」と語っていた。
今月に行われていたU-17ワールドカップで、U-17日本女子代表(リトルなでしこ)は決勝で北朝鮮に0-1で敗れて準優勝した。連覇は叶わなかったが、躍動した若手の五輪起用も気になるところ。だが、今回のメンバーには一人も選ばれなかった。
池田監督は今回の招集について「これまでの活動の積み上げの部分もある。総合的にいろんな試合を観て判断している」と現チームの完成度向上を強調。アンダーカテゴリーの選手も「なでしこジャパンの一員」と語りつつ、「まったく考えていないわけではないが、今回は五輪の準備を進めるという観点が強い」と今回のメンバー招集の意図をのぞかせた。
本大会にはメンバー18人に、バックアップメンバー4人も加わる。日本サッカー協会(JFA)女子委員長の佐々木則夫氏はバックアップメンバーについて「いま現状のなかでは考えていない」と言及。8月末にはU-20女子ワールドカップが開幕。一部選手のU-20女子W杯参加も考慮しながら、「(エントリーしたい選手が)U-20にいれば狩野(倫久)監督と相談して決定していく。いまの段階ではその状況ではない。この遠征に行って、状況を踏まえたなかで決定していく」と語るに留まった。
(取材・文 石川祐介)
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Source: サッカー日本代表
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