[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.26 インターハイ静岡県予選準決勝 聖隷クリストファー高 2-2(PK8-9)藤枝東高 藤枝総合]
注目の2年生アタッカーが、2得点で名門校を救った。まずは0-2の後半24分、藤枝東高は左SB逢坂峻(3年)のクロスをファーサイドのMF泉孝太郎(2年=FC東京U-15むさし出身)が1タッチでゴール。クロスに対し、ファーサイドで“蓋”をする形で1点目を決めた。
「左バックの逢坂さんからのクロスで、自分が『ここにボール来るな』っていうのを感じてた部分が少しあったので。ほんとにそこに流れてきて、あとは触るだけでゴールができて良かったです」。前半からゴール前のシーンを作りながらも遠かった1点。このゴールでチームは加速した。
さらに32分、泉は左サイドから繋がられたボールをPA中央で持つと、相手選手の動きを見極めてゴールネットを揺らす。「前半はシュートブロックとか(相手の守りが)堅くて、相手が飛び込んできていたイメージがあったので。しっかり最後までかわし切ってシュートを打つっていうのをあそこでは少し考える時間があったので。落ち着いて決め切ることができました」。1点ビハインドで残り時間は数分の状況。その中で泉は落ち着きと自分のテクニックを発揮し、試合を振り出しに戻した。
この日は左サイドで先発。カットインからのシュートやコンビネーションでの崩しに積極的にチャレンジしていた。だが、相手の守りは強固。1点が遠く、自身も相手のミスで得た決定機を決め切ることができなかった。
その泉は、後半8分の選手交代のタイミングから右サイドへ。「自分、右利きなので、左だとクロス上げにくかったんですけど、右に移ったことによって積極的に縦への仕掛けやアクションとかも増やせました」。縦への仕掛けから決定機を演出。そして、逆サイドからの攻撃で仕留め役を果たした。
小林公平監督は泉について高く評価し、さらなる活躍を期待した。「今日はちょっと持ち過ぎ感はあったんですけど、よくドリブルも相手に脅威を与えて、タイミングよくサイドのとか上手く使えてたんで、相手にとってはかなり嫌だったんじゃないかなと思います。前半なんか、チャンスのところで決めればもう1個上でできると思うし、ちょっとサボってるとこはあるので、もっとやれればなと思っています。でも、(今日は)凄くいい仕事をしてくれたと思っています」。2歳年上の兄、MF泉新之助(現早稲田大)が藤枝東で叶えられなかった全国大会出場へあと1勝とした。
スピードに乗ったドリブルでゴールへ向かう動きや、ラストパス、シュートが特長。今季のプリンスリーグではまだ無得点だが、インターハイ予選では4得点をマークしている。国体静岡県選抜にも名を連ねた実力派MFは、全国大会でも活躍できるポテンシャルの持ち主。インターハイに出場し、自分の名を広めることを狙っている。
「今年は絶対全国行って、もっと高いレベルで自分もプレーしたいなって思っているので、この県大会、絶対に勝って、もっと質を上げて、選手権に向けても、プレミア(リーグ)昇格に向けてもいい状態につながると思うんで、まずはしっかり来週の決勝に向けていい準備をしていきたい。決勝でも、まず自分の武器であるドリブルで積極的に仕掛けていって、今日よりも難しい試合になると思いますけど、絶対めげずに、どん欲に仕掛けてゴールまで狙っていって、チーム一丸となって勝ちたい」。決勝でも連発し、全国大会でブレイクする。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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