[5.25 関東大学L1部第6節 東海大0-1東京国際大 東海大G]
昨年度の高校選手権で5得点を決めて得点王に輝き、東海大に進学したFW米谷壮史(1年=青森山田高)が大学リーグ戦デビューを飾った。
出番がやってきたのは後半アディショナルタイムに入る直前だった。しかし選手治療のために中断した時間があったため、追加タイムは10分が表示されていた。するとアディショナルタイム8分、大きな見せ場がやって来る。MF松橋啓太(2年=東山高)のクロスを収めると、浮いたボールをオーバーヘッドで狙う。そしてゴール前にいたDF大戸太陽(3年=青森山田高)が詰めて、同点弾かと思われる場面を演出した。
ただ結果的には米谷のオーバーヘッドが相手DFの頭付近に入ったとしてゴールが認められることはなかった。「イメージでは左下にコントロールして打とうと思ったけど、トラップが浮いてしまったので、瞬間的にオーバーヘッドになりました」。そう振り返った米谷は、「決め切らないといけなかった。オーバーヘッドの前にトラップにこだわっていきたい」と修正を誓った。
焦りがないわけではなかったが、出番を信じて地道にトレーニングを続けてきた。高校の同級生で国士舘大に進学したMF菅澤凱とMF川原良介が開幕から関東リーグで先発出場を続ける一方で、米谷はAチームの練習にもなかなか絡むことが出来なかった。ただ1年生チームで出場するインディペンデンスリーグ(Iリーグ)で7得点を決めるなどして結果を残すと、チーム内で怪我人が出たこともあって米谷にチャンスが回ってきていた。
ベンチ入りも初だったが、川原らから情報を得ていたことで、ある程度の自信を持って準備することができていたという。「みんなすごい大学に行ったのに、すぐ試合に出ているので刺激をもらっています。自分はFWなので、虎(東洋大DF山本虎)と佳絃(明治大DF小泉佳絃)とかはマッチアップすることになると思う。山田の紅白戦の時よりも自分が強くなって、そこでビビらすことが出来れば、そこで点を取ってというのが自分の目標でもあります」。今後のモチベーションにもしていくつもりだ。
そして高校時代の実績に驕ることなく、一から鍛え直すつもりだ。「得点王になれたのは山田にいた自分。今は東海のサッカー部の自分が結果をどう残すかを考えている。今自分が試合に出るために必要なのは得点を取ること。常に自分は点を取ることを意識していきたいです」。今は高校時代と違って多く取れるようになった自由時間をいかに有効に使うかを考えながら過ごしているという。
「山田の時は周りがレベルが高かったので点を取ることができた。これからプロで通用する選手になるためには、個人で点を取れる選手になっていかないといけない。点を取れるFWになることを意識して高みを目指していきたいと思います」。まずは町田入りを内定させたFW桑山侃士(4年=東海大高輪台高)やFW星景虎(3年=矢板中央高)らとのハイレベルなポジション争いを戦い抜くことで、大学生活を走り抜くための自信を深める。
(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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