[MOM4721]米子北FW鈴木颯人(3年)_「自分が決めるしかない」…チームの危機を救った“腕章”を託されるエース

決勝の舞台で2得点を叩き込んだ米子北高FW鈴木颯人(3年)
[6.2 インターハイ鳥取県予選決勝 米子北高 3-2(延長) 境高 どらドラパーク米子陸上競技場]

 連続出場が途切れるかもしれないチームの危機に、エースに、キャプテンに求められる役割を果たした。米子北高FW鈴木颯人(3年)は境高との決勝で2得点を挙げ、16大会連続19回目の全国高校総体(インターハイ)出場に大きく貢献した。

 先制点は前半12分(35分ハーフ)、MF柴野惺(3年)の右からのFKを右足ボレー。手前で両チームの選手やGKが交錯し、誰も触れずにボールが流れてくる難しい状況だったが、「なんか、見えました。抜けてくると思った」と振り返る予測で蹴り込んだ。

 より価値が大きかったのは後半20分の2点目だ。前半30分と後半10分に失点して逆転された状況で、MF佐野聖也(2年)が頭でつないだボールをエリア内で収めると、相手DFを背負ってゴールに背を向けた状態から、振り向きざまに右足でねじ込んだ。

「負けている状況で、自分が決めるしかないと思い、強引に足を振った」という同点ゴール。これで息を吹き返した米子北は延長前半にMF山下一圭(2年)が3点目を奪って逆転し、苦戦を制した。

 ただ、1-2の状況を作ったのは「自分のせい」という思いも残った。まだ1-1だった後半12分、右からのセンタリングにフリーとなってダイビングヘッドで合わせたが、ゴール左へ。勝ち越し点とはならず、10分に2点目を奪われて逆転された。

 同点ゴールを決めた後も、後半終了間際にエリア内のこぼれ球を左足ボレーで狙ったシュートが左ポストに当たって決まらず。決めた喜びと同時に決められなかった悔しさも残り、「勝てたことはよかったですが、焦ってしまう場面が多く、相手にのまれる時間帯もあった」と反省点が口を突いた。

 鋭く相手の背後を突く動き、走力を駆使した献身的なプレーを武器に昨年度から出場機会をつかみ、今年度はキャプテンを任されている。中村真吾監督は「それなりに仕事をした」と評価しつつ、昨年度から出場している他の選手も含めて「もう少しやってもらいたい思いがある」と奮起を促した。

 本人も夏に向けて「得点力など、個々のレベルアップが大事だと思う。私生活でのちょっとしたスキが、こういう試合を招いたと思うので、一人ひとりが私生活から見直し、よりチーム一丸となって日本一を目指したい」と強調。苦戦を、日本一への糧とする決意を新たにしていた。

(取材・文 石倉利英)


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Source: 大学高校サッカー

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