[6.8 インターハイ岡山県予選準決勝 作陽学園高 1-0 就実高 岡山県美作ラグビー・サッカー場]
令和6年度全国高校総体(インターハイ)岡山県予選準決勝が8日に美作市の岡山県美作ラグビー・サッカー場で行われ、第2試合では作陽学園高と就実高が対戦。作陽学園が1-0で勝ち、4大会ぶり24回目の出場を目指す決勝進出を決めた。
ロングパスで両サイドのスペースを突き、そこからの個人技や突破でゴールを目指す作陽学園と、FW松澤悠紀(3年)など前線の選手をターゲットにチャンスを作ろうとする就実の攻防は、立ち上がりから球際の争いも含めて激しいものに。最初のチャンスは就実で、前半4分(35分ハーフ)にCKからMF樋口琉生(3年)がヘッドで狙うも、ゴール上に外れた。
その後は作陽学園がゴール前のシーンを多く作り、13分にFW大西卓磨(3年)がエリア内右サイドから右足で狙ったが、就実DF杉原由太郎(3年)のブロックに遭う。15分にはFW入江修生(2年)が右サイドからドリブルでエリア内に侵入、左足で狙ったが就実GK三谷遼人(2年)がセーブ。両チームの集中力の高い守備で得点は生まれず、スコアレスで前半を終えた。
後半も前半同様の激しい攻防が続いたが、11分に作陽学園が先制点を奪う。ゴールキックを短くつないでDF小椋翔太(3年)がボールを持つと、相手最終ラインの背後へロングパス。抜け出した大西がドリブルで持ち込み、軽く浮かせたシュートでGKを破って決めた。
その後は引き気味に構えてカウンターを狙う作陽学園に対し、就実がパスをつなぎながら攻略を試みるが、なかなか良い形を作れない。杉原のロングスローなどセットプレーでもゴールを脅かすが、作陽学園の守備を崩せないまま時計の針が進んだ。
就実はカウンターのピンチをしのぎ、終盤はゴール前に何度も浮き球のパスを送って懸命にゴールを目指す。後半アディショナルタイムの35+3分には右サイドから攻め込み、ニアサイドに走り込んだ松澤が右足で合わせたが、右に外れて決まらず。最後まで集中力を切らさず逃げ切った作陽学園が、準々決勝に続く1-0勝利で決勝進出を決めた。
就実は高校選手権も含め、全国大会の県予選で初の決勝進出を目指したものの、歴史を変えることはできず。大谷雄太郎監督は「相手のロングボールと、それに向かってくる強さは分かっていましたが、最終ラインが耐えられなかった。ボールを拾ってからも、しっかりつなげなかった」と攻守両面について語った。
2019年に昇格したプリンスリーグ中国で残留を続けて定着し、着実に力を伸ばしているものの、悲願の全国大会に届かない戦いが続いている。大谷監督は選手たちに「このままでは選手権予選も勝てない。練習やプリンスリーグ中国で積み上げてきたものを、(予選の)トーナメントで出せるだけの強さ、メンタルを持たなければいけない」と問いかけたことを明かし、さらなるレベルアップを誓った。
作陽学園は競り合いを制し、準々決勝に続く1-0勝利。酒井貴政監督は「相手は前線にタメを作れる選手がいるので、時間を与えないようにする。相手のディフェンスラインに直接アタックする。そうすると(相手の)選手間が空いてくるので、そこでプレーできる選手が活躍する。点が取れたら、相手に合わせて対応する。そういうストーリーどおりだった」と振り返った。
校舎移転を機に作陽高から校名を変更した昨年度、プリンスリーグ中国で9位に終わって降格となり、今年度は県リーグで戦っている。「プリンスリーグ中国とは強度が全然違う」(酒井監督)環境でチーム力を高めるべく、土曜日の県リーグに続いて、日曜日は練習試合を実施。インターハイ予選、選手権予選と同様の週末連戦で鍛えてきた。
その週末連戦で行われる9日の決勝では、昨年度までインターハイは3大会連続、高校選手権も3年連続で出場しており、2022年度の高校選手権では県勢初の全国制覇を成し遂げている岡山学芸館と対戦する。酒井監督も「立ち位置は逆転していると思っている」と認める難敵だが、「チャレンジャーとして、相手の良さを消し、こちらの良さを出すことにトライして結果を出したい」と語り、もちろん譲るつもりはないことを強調した。
(取材・文 石倉利英)
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Source: 大学高校サッカー
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