[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.12 インターハイ千葉県予選準決勝 東京学館高 1-2(延長)市立船橋高 東総運動場]
左利きのストライカーが、決勝点を挙げた。延長前半10+1分、市立船橋高は左クロスに右WB井上千陽(3年)が競り勝つ。DFラインとGKの間に落ちたボールにFW伊丹俊元(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)がいち早く反応。「目の前にゴールがあったので、ボレーでぶち込んでやろうと」左足で叩き込んだ。
プレミアリーグEAST、インターハイ予選と結果が出ていない中で待望のゴール。「焦りもあった」というが、空中戦を含めて前線でハードワークし続けたFWが、貴重なゴールを決めた。。
「苦しい時間が続いていたけれど、自分が決めたことでチームの雰囲気もよくなったんで、それはとても嬉しいことです」と伊丹。東京学館高のパワフルな攻守に苦戦する中、勝利に貢献できたことを素直に喜んでいた。
昨年から公式戦出場を重ねていた伊丹は、今季プレミアリーグEAST開幕戦(対青森山田高)に先発出場。怖さのある動きを見せていたものの、その後チームの戦術変更や怪我もあってピッチから遠ざかっていた。5月19日の柏U-18戦で6試合ぶりの出場。「(出て活躍するために)何でも見て、勉強して」きたという成果をピッチで表現している。
この日、チームはボールを保持しながらの戦いを目指したが、相手の圧力を受けて縦に速い展開へ。その中で、伊丹は前線でハードワークを続け、ボールを収めて起点になろうとしていた。「自分があんまり競り勝てなかったので、結構押し込まれる時間もあって。自分のところでタメを作れたら、もっとうまくチームがいい方向に行けた」と納得はしていない。それでも、結果を出したことについては前向き。決勝(対流通経済大柏高)での連発を誓う。
「(今日のゴールで)乗れそうです。結構調子も今上がってきていて、結構いい感じなんで、決勝もハットトリックして勝ちたいと思います。今、プレミア(リーグEAST)では相手1位で、自分ら最下位で。対照的なチームになっているんですけど、 見返すのはここ」。FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)やFWロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)のように、どんな試合でも点を取るようなFWになることが目標。左足のパンチ力、野性味も魅力のストライカーが、決勝でもゴールとハードワークで市立船橋を勝利へ導く。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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