日本サッカー協会(JFA)は19日、浦和レッズに対して2024シーズンの天皇杯参加資格剥奪とけん責の厳罰処分を発表した。
処分の原因となったのは8月2日の天皇杯4回戦・名古屋グランパス戦におけるサポーターの暴動事案。70人以上のサポーターが暴徒化し、フィールドへの飛び降りのほか名古屋サポーターと警備運営スタッフに対する暴力行為、立ち入り禁止区域への不正侵入などの試合運営管理規定に違反する行為が発生した。
JFAは観客、選手等の関係者及び警備運営関係者が身の危険を感じざるを得ない状況が約1時間続いたとした上で、浦和が同事案を防止できなかったこと、発生後に当該サポーターらを退去させるなどの適切な措置を講ずることができなかったことが天皇杯試合運営要項に違反すると認めた。
一方、暴動の発端は名古屋サポーターによる挑発との指摘も事件発生直後にSNS上で散見された。JFAは浦和から「相手チームのサポーター2名から発せられた何らかの言葉(「早く帰れ、こっちに来い」といった内容であったとの話もあるが特定はできていない。)に対し、本件サポーターらの一部が憤慨し、バックスタンド側に移動を開始し、その後、その他のサポーターもこれに続き、本件管理規定違反行為に至った」といった弁明があったことを公表した。
しかし、JFAは名古屋サポーターの挑発が直接のきっかけである可能性は否定できないとしつつ、「そうであったとしても、本件サポーターらの行動は、その反応として著しく過剰かつ執拗なものであり、情状として汲むべき事情には当たらないと考えられる」と判断している。
JFAは今回の事案を「日本サッカー史上、過去に類を見ない極めて危険かつ醜悪なものであり、その場に居合わせた子供を含む多くの観客、チーム関係者、スタジアムや運営に携わる関係者等を危険にさらし、恐怖に陥れるもの」で「その様子はテレビやインターネットを通して、広く伝えられ、サッカー関係者以外の多くの人々にも強い衝撃を与えた」と捉え、「当協会やJリーグの理念に真っ向から反するものであり、断じて許されない」としている。そして、昨年7月に浦和がJリーグから2000万円の罰金処分を課された際に今後はより重い処分になる可能性があるとの警告を受けていたなかでの違反行為であることも考慮し、来年度の天皇杯参加資格剥奪という極めて重い処分になったことを伝えている。
加えてJFAはサポーターに対する付言とし、以下のように伝えている。
「以上の懲罰は、対象者(クラブ)に対するものであるが、本件管理規定違反行為の実行者である本件サポーターらには、自らの行為がクラブに招いた結果の重大性をしっかりと受け止めてほしい」
「サポーターはクラブとその選手たちを心から応援し、愛する存在であるはずである。観戦ルールに違反する行為は、結果的に、自分が愛するクラブ、ひいては、そのクラブを愛する多くの仲間たちを傷つけることになってしまう。そのことを自覚し、ルールを守って観戦していただくことを当委員会としても切に願うものである」
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Source: 国内リーグ
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