[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.21 U-16インターナショナルドリームカップ第2節 U-16日本代表 4-0 U-16ベネズエラ代表 Jヴィレッジスタジアム]
激しいFW争いの中で、早生まれの2年生ストライカーが価値のある2発だ。FW浅田大翔(横浜FMユース、2年)は前半10分、デザインされた形の右CKから右足ダイレクトで先制ゴール。MF西岡健斗(磐田U-18)のグラウンダーのボールを点で合わせてゴールへ蹴り込んだ。
「カットバック(マイナスのクロスボール)で、マイナスに来たところを、絶対当てるっていう気持ちだけで当てに行きました。雨も降っていたので、絶対フカさないように」心がけた一撃。中央から正確なシュートをファーのネットへ流し込んだ。
交代出場でチームの6点目を決めた初戦(対U-16ウクライナ代表)に続き、2試合連続ゴール。浅田は、その6分後にもファインゴールを決めた。右中間からPAへ抜け出したMF土井口立(神戸U-18)がマイナスの落とし。当初は左足でのコントロールから右足で打つことを考えていたというが、パスがやや弱かったことで咄嗟に判断を変えた。
ファーストタッチでタックルに来たDFの前に出ると、さらに右前方へ大きく持ち出す。自らシュートコースを作り出した浅田は、そのまま対角の右足シュート。ボールは素晴らしい弾道でファーのネットに突き刺さった。
「めっちゃ嬉しかったです。代表で、1試合で複数得点取ったことなかったので、めっちゃ嬉しくて。良かったです」
この後も、ハイサイドへの抜け出しなどからチャンスに係わり、後半には右クロスに体ごと飛び込んで相手GKと交錯するシーンも。178cm、67kgで競り合いの強さやラインブレイクを特長とするストライカーは前線でハードワークを続け、「こだわってきた」という“最後の質”で結果を残した。
今回、U-16日本代表は「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」メンバーとして4人のFWを招集。U-16ウクライナ代表との初戦(19日)はFW葛西夢吹(湘南U-18)、FW吉田湊海(鹿島ユース)、FW奥田悠真(川崎F U-18)、そして浅田とFW4人が全て得点した。
そして、この日は浅田の2発に加え、葛西と吉田もゴール。ライバルが競い合いながらゴールを重ねている。「全員、FW良い選手なので、チームとして仲間なんですけど、ライバルでもあるので、 負けたくないっていう気持ちもありますけど、(今日も)全員で4点取れて良かったです」と浅田。今回の合宿で、廣山望監督は「岡崎さんみたいな選手が増えて欲しいというメッセージと映像もだいぶ見せている」と明かしていたが、昨シーズン限りで現役引退した元日本代表FW岡崎慎司の映像を見たことで、各選手の得点意識がより高まっている部分もあるようだ。
「(以前から意識していたが、)とにかく点が大事なんだな、と。アシストとかも評価されると思うんですけど、最後は点じゃないと。点決めないと残っていけないんだなって改めて思いました。(岡崎さんの)チャンスになったらスプリントして相手の危険なところに入っていくとところなどは見習っていかないといけない」と浅田。生き残っていくためにもゴールに決め続ける。
「FWは常に結果残していかないと生きていけないところだと思うので、常に点取り続けながらも、ハードワークだったり、プレッシングのところだったりで、チームを勝たせる人間になっていかないといけない」。横浜FMユースでは主にトップ下も、ゴールへのこだわりは非常に強い。U-16セネガル代表との最終節(23日)でも得点し、日本を優勝へ導く。
(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表
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