[6.23 U-16インターナショナルドリームカップ第3節 U-16日本代表 3-2 U-16セネガル代表 Jヴィレッジスタジアム]
U-16日本代表が欧州、南米、アフリカの各大陸の強豪を撃破し、全勝優勝――。23日、「U-16インターナショナルドリームカップ2024 JAPAN」第3節が福島県のJヴィレッジスタジアムで行われ、ここまで2連勝のU-16日本代表はU-16セネガル代表と対戦。「決勝戦のつもりで戦う」(廣山望監督)と位置付けてこの試合に臨んだ日本は、2点を先行される苦しい流れとなるも後半に3得点を奪って大逆転。見事、全勝で大会「4連覇」を果たしてみせた。
このセネガル戦、日本の先発はGK西川元基(柏U-18)、DF篠崎健人(市立船橋高)、ゲーム主将の横井佑弥(G大阪ユース)、藤井翔大(横浜FMユース)、山中優輝(横浜FMユース)、MF薄井翼(浦和ユース)、野口蓮斗(広島ユース)、神田泰斗(大宮U18)、小林志紋(広島ユース)、FW浅田大翔(横浜FMユース)、吉田湊海(鹿島ユース)の11人。雨の影響でピッチがスリッピーとなる中で、アフリカの強豪セネガルとの戦いに挑んだ。
試合序盤、「どれだけ映像を見せても、実際に味わわないと絶対に伝わらない部分」(廣山監督)であるリーチの差や独特のリズム、サッカー観の違い、スピードやパワーの差といった部分に戸惑った日本の選手に対し、セネガルが攻守で上回る流れに。37分にはスピーディーなカウンターから一気にライン裏まで取られてしまう大ピンチもあったが、ここはGK西川が好守を見せて得点を許さない。
しかし、前半アディショナルタイムにゴール正面のFKを、セネガルの主将であるMFイブラヒマ・ソリー・ソウ(ジェネラシオン・フット)に直接狙われると、GK西川が捕球しきれず先制ゴールを奪われてしまった。
さらに後半5分にも自陣低い位置でボールを奪われ、「あの距離であのタイミングは、日本ではまずない」(廣山監督)中距離シュートをMFムハメド・ワニュ(ディアンパルス)に決められてしまって、2点のビハインドを負う形となった。
しかし、「メンタル面での成長を見せてくれた」と日本の指揮官が目を細めることになるのは、ここからの時間だった。
失点に折れることなく顔を上げた日本は、この直後の後半9分に早くも反撃の狼煙をあげる。相手陣内でのスローインに対し、小林と交代出場したばかりのMF西岡健斗(磐田U-18)が激しくプレッシャーをかけてボール奪取に成功すると、ボールは神田から吉田へ。吉田は左サイドに開いた浅田に開いてゴール前へ突進。浅田の折り返しを、巧みなファーストタッチからのシュートで沈め、1点差に詰め寄ってみせた。
さらに後半25分には神田のCKから横井が頭で合わせて追加点。「(G大阪ユースの)明神智和コーチから『点を取れるDFになれ』と言われていて、ガンバではなかなか決められなかったけれど、代表で出せて良かった」と振り返るヘディングでの一撃で見事に試合をイーブンに戻してみせた。
こうなると、試合の流れは完全に日本。ただセネガルも一人ひとりのスピードとパワーで日本を上回り、簡単にゴールは許してくれない。それでも迎えた後半35分だった。
藤井の左足での鮮やかなロングフィードがサイドのスペースへ出ると、これを受けて抜け出したのは横浜FMユースの僚友、浅田。冷静に戻したボールを交代出場のMF武本匠平(福岡U-18)が「自分の武器」と語る得意のカットインクロス。これを西岡が落とし、最後はこちらも交代出場のFW葛西夢吹(湘南U-18)。見事なゴールが決まり、ついに逆転に成功してみせた。
その後の時間帯もしっかり守った日本が、「決勝」と位置付けたゲームを逆転で勝利。ウクライナ、ベネズエラ、セネガルという欧州、南米、アフリカの強豪を相手に3戦全勝。大会4連覇を達成してみせた。
(取材・文 川端暁彦)
Source: サッカー日本代表
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