[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.22 アミノバイタル杯3回戦 国士舘大0-0(PK4-3)流通経済大 RKU FF]
PK戦を逆転勝利に導く連続ストップになった。2人目を止められていた国士舘大だったが、GK千田和廣(3年=湘南U-18)は「それも予想していた。だから別に驚くことなく、いつも通りやるだけだと思っていた」という。
すると流通経済大の4人目で蹴ったDF古屋颯眞(4年=FC東京U-18)と、5人目で蹴ったDF根本健太(4年=東京学館高)のPKを連続ストップ。会心の勝利に「いやー気持ちよかったっすね!」と笑顔を弾けさせた。
3連覇を目指す大会だが、アミノバイタル杯に限れば初めてゴールを守っている。総理大臣杯も制した一昨年度はGK飯田雅浩(現八戸)、そして昨年はGK高橋拓輝(4年=仙台育英高)が正GKを務めていた。
昨年のリーグ後期で高橋が負傷離脱したとでゴールを守るようになっていた千田は、今年も開幕からゴールを守った。しかし関東リーグ第5節の明治大戦で7失点と大敗を喫したことでポジションを失っていた。
ただそこで落ち込むのではなく、次にやってくるチャンスのために全力で準備することを心掛けたという。「父も国士舘大学でGKをしていたので、よくアドバイスを貰うのですが、その時も自分に真摯に向き合って、全力で準備をしておきなさいと言われました」。高校教師である父親の言葉は、心の支えになったようだ。
そしてアミノバイタルカップに入ると再び千田にチャンスが与えられることになった。「飯田さんからも優勝を目指すのはもちろんだけど、一歩一歩地道に頑張れとビデオレターをもらった。自分も全力を出そうという風に、一戦一戦集中してやれているかなと思います」。“チーム国士舘”が近年の夏の躍進を支えている。
3大会連続となる総理大臣杯出場を決めた国士舘大だが、千田は次の試合に頭を切り替えている。「PKを2本止めた結果は明日になれば過去になる。またもう一度、ゼロから争いが始まると思うので、父が言うように真摯に向き合って、結果がついて来ればいいかなと思います」。次戦は25日に行う準々決勝の筑波大戦。同日、21歳の誕生日を迎える千田が強敵の前に立ちはだかる。
(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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