[6.16 関東大学L1部第9節 桐蔭横浜大1-3中央大 桐蔭学園G]
試合後、敵将から求められた握手にしてやったりの表情をみせていた。「中2の時の監督なんです」。桐蔭横浜大のFWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(1年=修徳高)が、中学時代に所属したFC東京U-15深川で教えを受けた中央大・宮沢正史監督の目の前で大学リーグ初ゴールを決めた。
「でも点を決めたのは自分の仕事ができたと思うんですけど、守備のところで課題が見つかったので、そういうところを意識してやっていきたい。誰よりも点を決められるストライカーになりたいです」
リーグ戦出場2試合目で決めたゴールでもあった。入学してから関東サッカーリーグ1部を戦う桐蔭横浜大学FCでプレーしてきたブライアンだが、出場4試合で2得点と結果を残すと、FW渡邊啓吾(4年=旭川実高/湘南内定)やMF笠井佳祐(4年=関東一高/新潟内定)が教育実習のために不在だったこともあって、トップチームに抜擢されていた。
前節の明治大戦に続く2試合連続の先発出場。デビュー戦はシュートすら打つことができなかったが、2戦目では1点ビハインドの前半45分、左サイドから上がったクロスのこぼれ球に素早く反応。右足で蹴り込んでゴールネットを揺らした。
ただ後半早々での交代となったように、スタミナ面に課題を残す。これは中学3年生の時に患った大腿骨骨すべり症で高校1年生を含めた2年間、サッカーが出来なかったことが影響している。
しかし今では強度の高い練習もこなせている様子で、ようやく体力面の強化に取り組むことができるようになったようだ。安武亨監督も「あとは継続できるように。1分でも長く出られるようになればというところですね」と期待を寄せていた。
ナイジェリア人の父親と日本人の母親を持つブライアン。ちなみに名前が「ン」で始まる選手は、関東大学リーグでは17年まで日本体育大でプレーしたDFンドカ・ボニフェイス(横浜FC)以来となる。190cmに到達した身長は、「今もちょっと伸びている」と明かすように、心身ともに成長期真っただ中。参考にしている選手にイングランド代表FWイバン・トニー(ブレンフォード)をあげる原石が、大学サッカーで磨きをかける。
(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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