玉野光南が1-0で7試合ぶりのプリンス中国白星。雪辱を期す選手権予選へ向け、DF清水元徳主将「この夏で、どれだけ成長できるか」

玉野光南高はDF清水元徳主将を中心とした堅守で1-0勝利
[6.29 高円宮杯プリンスリーグ中国第9節 玉野光南高 1-0 立正大淞南高 松江市営補助競技場]

 高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 中国は29日に第9節が行われ、立正大淞南高(島根)と玉野光南高(岡山)が対戦。玉野光南が1-0で勝ち、久しぶりの勝ち点3を獲得した。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、玉野光南の選手・スタッフは大きな声を上げて喜びを爆発させた。4月の第2節で瀬戸内高(広島)を2-1で下したのを最後に6試合未勝利。苦しい戦いが続いていたが、後半に挙げた1点を守り抜いた。

 一進一退の攻防が続いた前半を経て、後半は押し込まれる時間が長かった。それでも粘り強く守って失点を防ぐと、後半17分にMF佐藤宏海(3年)の左からのセンタリングを、MF三木滉大(3年)がヘッドで決めて先制。これが決勝点となり、レノファ山口FC U-18(山口)を1-0で下した開幕戦以来の完封勝利となった。

『魔の時間帯』を乗り越えた勝利でもあった。就実高(岡山)との同県対決となった前回の第8節、後半36分のゴールで3-2とリードしながらも、後半アディショナルタイムの45+3分に失点して3-3の引き分け。大社高(島根)と対戦した第5節も、1-0で迎えた後半43分の失点で追い付かれて引き分け、試合終了間際の失点で勝ち点4を失っていた。
 
 悔しい結果を乗り越えての勝利に、3バックの中央で守備を統率したキャプテンのDF清水元徳(3年)は「粘りました」と笑顔。「なかなか勝ち切ることができず、乙倉(健二)監督からも終盤の弱さを指摘されていました。学校生活や朝練習の質など、細かいところから変えていこうと頑張ってきた」と語る積み上げの成果を結果で示した。

 乙倉監督が「チームのために体を張り、ピッチ内でもピッチ外でも汚れ仕事を頑張ってくれる、頼もしいキャプテン」と絶大な信頼を寄せるチームリーダーは、身長163センチとCBとしては小柄ながら、指揮官が評価するとおりの球際で譲らない守備が身上。この日は先制した後、相手の波状攻撃にさらされる場面もあったが、GKも含めたチームメイトと声を掛け合い、最後までゴールを割らせなかった。

 今年度はプリンスリーグ中国で開幕2連勝の好スタートを切ったが、その後は前述のとおり勝利から遠ざかった。第7節終了後に始まったインターハイ(全国高校総体)予選でも、準々決勝で作陽学園高に0-1で敗戦。シュート数では上回ったが前半の失点が響き、その作陽学園高が勝ち上がってインターハイ出場を決めたことも悔しさを倍増させた。

「キャプテンとしてチームに求めなければいけないことが多かったですが、なかなかチームの矢印が同じ方向を向かなかった」と振り返る苦境。それでも、「最近ようやく同じ方向を向いてきたことが、この勝利につながったと思う」という過程を今後につなげていくつもりだ。

 雪辱を期す選手権予選に向けて「この夏で、どれだけ成長できるかがカギになると思う」ときっぱり。次回の第10節終了後のリーグ中断期間にチーム力を高め、さらに再開後のリーグ戦で手応えをつかんで、9年ぶり9回目の選手権出場を目指す。

 乙倉監督も「夏の遠征などでみんなと協力して、絶対的なリーダーとして守備組織を構築していってほしい」と期待を寄せる。苦杯をなめた作陽学園、昨年度まで3年連続で選手権に出場している岡山学芸館高など強力なライバルがひしめく戦いに向けて、伝統の青いユニフォームをまとう背番号2は「自分たちの取り組みのレベルを、さらに上げて、選手権に向けて頑張っていきたい」と今後を見据えていた。

(取材・文 石倉利英) 


●高円宮杯プリンスリーグ2024特集
Source: 大学高校サッカー

コメント

タイトルとURLをコピーしました